Insurtech Connect Day3 レポート
※この記事はInsurtech Connectのレポート記事です。
Day0~Day2の記事をUpしておりますので、先にそちらをご覧ください。
おはようございます!
ラスベガスに来てから3日が経ちますが、未だに時差ぼけが治らず、寝不足の朝です。
Insurtech Connectも残すところあと1日ということで、もう一踏ん張りで、積極的に動いていきたいと思います!
3日目のカンファレンス
朝は少しだけ会社の作業をして、8時にホテルを出発。朝ごはんを食べたあとにCEO Coachingというプレゼンを聴きました!
かなり熱量のあるプレゼンで、人生の目的は何か、深く自分に問いかけてキャリアを作るんだ!というような内容でした。
In the hot seat of an Insurtech CEO
次のプレゼンは「In the hot seat of an Insurtech CEO」。訳すると、InsurtechのCEOが考えている厄介ごと。
前半は成長か収益化か、Anazonの株価を例に出して、そのジレンマについて。
後半は、保険のデジタル化にどう対応するか、昨日の記事にも書いた保険のシームレス化についてのお話でした。
後でカンファレンスに参加していた方に聞いたのですが、PolicyGeniusなど上場したInsurtech企業の株価が軒並み下がっており、投資が控えられつつあるなか、事業を黒字化することを急かされているというような背景があるようです。
確かにレモネードの株価を確認してみると、良い状況とはいえないのでしょう。
MGAとは
次のお話は、MGA(Management General Agent)エージェント関連のお話。
プロダクトをローンチをする上で欠かせない人材を流動的に調達するために、弊社はサービスを展開しています、といった、半ば宣伝のような内容でした。
ITCを通じてMGAというワードを聞くことが多かったのですが、MGAとはどういうものかなじみがなかったので、後で調べたところ、下記のようなチャネルのようでした。
午前中の発表で印象に残ったのは、このステージ。
全て女性の方がビジネスのネタでお話されているのを日本で見かけるのは少なく、内容もベンチャーキャピタル投資に関するお話でした。
日本に比べて、女性の社会進出というか、女性がそのような話に興味を持って取り組めるような土壌があるのだろうなという印象を受けました。
デモエリアにて
Mendix
Day3の午前はデモエリアで出展企業のデモを聴きました。
まずはローコードの開発基盤を提供しているMendixのデモ。
ローコードツールとしては一般的な内容のように思いましたが、UIは優れている印象を受けました。実際にWebサイトを見てみると、フレームワークを選択してアプリケーションを作成できるとありますが、使いやすそうな印象を受けました。
とはいえ、ITC2022には少なくとも10を超えるローコードツールの出展を見かけた印象で、競合が非常に多く、他のローコードツールとの差別化ポイントははっきり伝わってこないという印象でした。
Today
次のデモはTodayというフランスのB2B2C企業のデモ。
こちらの発表でもMGAのワードが登場しましたが、MGA向けの販売ツールなどを提供している会社のようです。
ただ、会社を調べても社員数が10名程度の会社で、具体的な情報が掴めませんでした。
Crawford & Company
3つ目はCrawford & Companyのデモ。
CRMツールに関するデモの内容でした。細かくは保険金の請求や画像のアップロードができるようなのですが、既存のCRMツールを現代風のデザインに変えただけのような印象で、特段目新しいものはない感じでした。
お昼ごはん
デモが一通り終わって、Day3のお昼ご飯タイム。
甘辛く似た牛肉とブロッコリー、ライスの丼ぶりのような感じでした。
すき焼きのような味に近かったのですが、なんか違う、微妙な感じが面白かったです笑
午後のカンファレンス
ヘルスケアテック
いくつかのブースではヘルスケアに関する出展も見られました。
保険分野で言えば、健康状態から保険引受に関するリスク度合いを判定するという目的があるようなのですが、体験してみました。
3日目ともなると疲労がかなり蓄積していて、スコアが低い数字になってしまっていました。(実はかなり眠かった)
脈拍と顔色から判定するのでしょうか、詳しい算出理由はわからなかったですが、画面の下にbpmの数字が常に表示されていました。
さすがに疲労が溜まっていたので、向かいのマッサージブースにて体験。
現在の市況について
この後は現地のシリコンバレーに駐在している日本人の方々と軽く情報交換をしました。
特にVC(ベンチャーキャピタル)企業の方から、お話を伺ったのですが(前述の株価に関するその際に伺った)Insurtechに関する投資は少し冷え込む方向にあるようです。
理由は世界的なインフレや物価高によるものではなく、上場したInsurtech企業の株価の低迷が原因にあるとのこと。
Insurtech企業に対する評価が市場全体としてあまり高くなく、それゆえに黒字転換や利益を生むための動き、守り方向に進んでいるようです。
ITC全体を通してみても、販売や代理店領域ではなく、ローコードツールや引受(アンダーライティング)や、保険金請求に関する内容、リスク度算出などの分野が多く、販売領域のテクノロジーは多くない印象でした。
3日間の総括
3日間を通して、Insurtech Connect(ITC2022)もそろそろ総括に入りたいと思います。
様々な目的を持って参加する人たち
海外の展示会に初めて参加して感じたことは、自分がITCにおいてなすべきことを明確に意識されている方が多いなという印象でした。
特に、カンファレンスに一切参加せず、ネットワーキングや投資関連のお話を聞く、プレゼンをすることを目的に参加される方が多くいらっしゃることにびっくりしました。
また、ITCのアプリを見ても、それを前提としたデザインになっており、日本のカンファレンスとは全く違った形式になっているということを明確に感じました。
販売領域の動向
サスケでは、保険の販売領域に特化した事業を構築していますが、ITCにおいてホットなテーマではなくなっているということに気づきました。
このことは、日本においても「近い将来やってくる」ことを示唆しており、個人的には、販売領域に特化するだけでなく、別の領域のビジネスも検討していいのではないかとさえ思いました。
国内の大手生命保険会社の方ともお話ししましたが、自社で課題を感じているのは、アンダーライティングや保険金請求の分野であり、従来の重たいシステムをいかに刷新することができるかということでした。
じゃあ次は…シームレス?
Insurtechという難しい領域で、じゃあ次に何ができるのか、ということはITCに参加している全員が模索しているような印象を受けました。
ある程度DXが進んだ後に、さらに何ができるのか、ということで、基幹システムのデータ加工や、市場をミドル層に広げること、ドローンを用いた保険料査定など、さらに次の話も出てきていましたが、ITCを通してキーワードになったのがシームレス化というテーマでした。
埋め込み型の保険であったり、保険を保険と認識せずに加入できるようになる、その時に「代理店」や「販売」という存在自体がなくなることも考えられるのではないかということは、Insurtechの将来でありつつ、ディスラプション(既存ビジネスの破壊)につながる脅威としての意味も含んでいそうです。
ITCのクライマックス
そんなこんなでITCの3日間、様々な経験をすることができました。
フィナーレとなるパーティー会場へと向かいます。
この3日間を通して、様々な体験をすることができました。
また、ベンチャーが活発な「アメリカという文化」にも触れることができ、想像と違うこともありましたが、非常に有意義な3日間だと思います。
今回の旅を通して、いずれシリコンバレーでビジネスをしたいとも思うようになりました。
最後になりましたが、このような体験をさせてくれたSasuke Financial Lab株式会社。また、会場でお会いしたみなさんに感謝をさせてください。
ありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?