コロナで合宿がキャンセルになってしまったら、合宿費は払わなければならない?

こんにちは、弁護士の紙尾です。

部活動において、日常の練習も大切ですが、何と言っても合宿の効果は大きいですよね。

練習時間が長い他にも、テレビやインターネットの誘惑が少ない環境で、生徒同士が寝食を共にする集団生活で得ることもたくさんあります。

しかし、今年の夏合宿は、コロナウイルスの影響で中止となってしまった方も多いと思います。そんな場面で合宿の費用の取扱いがどうなるのか気になりますよね。

まずは、宿と団体(学校)との契約にどんな定めがあったかによることになります。

「宿泊者の責めによらない事情による宿泊のキャンセル時には、宿泊代金を返還する」という定めがあれば、この約束に従って返金を受けることができると思われます。

他方、「宿の責めによらない事情による宿泊のキャンセル時には、キャンセル料を徴収する」という定めがあれば、この約束にしたがってキャンセル料を徴収できるという結論に至ります。

ん?どこが違うの?

と思った方も多いかもしれません。

平易なことばに直すと、キャンセルが、①宿泊者のせい、②宿のせい、③いずれのせいでもないという3つのパターンが想定できますね。

「宿泊者の責めによらない事情による宿泊のキャンセル時には、宿泊代金を返還する」という条項は、言い換えると、①以外の場合(②・③)には返金するというものです。

他方、「宿の責めによらない事情による宿泊のキャンセル時には、キャンセル料を徴収する」という条項は、②の場合のみ返金に応じるが、①・③の場合にはキャンセル料がかかるということです。

ややこしいですよね。

次回は、契約書が無い場合のことを解説します!

弁護士の紙尾でした。

記事をお読みいただきありがとうございます。弁護士は縁遠い存在と思われないよう、今後も地道に活動をしようと思いますので、ご支援よろしくお願いします。