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わたしの好きな詩 ──心に静かに染み渡ります [第33回]
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春日憶江上 しゅんじつ こうのほとりをおもう
一川流水半村花 いっせんの流水 はんそんの花
舊屋南隣是釣家 旧おくの南どなりは これちょうか
長記帰篷載春酔 とこしえにきす きほう春酔をのせ
雲籠残照雨鳴沙 雲ざんしょうをこめ 雨いさごに鳴りしを
高啓
あの春の日の川のほとりの思い出
川いっぱいに流れる水、村半分は花でうずまっている。
むかし住んでいた家の、南どなりは漁師の家だった。
いつまでも忘れられないのは、ほろ酔い気分の帰りの小舟で、
雲が夕日をとじこめ、河原の雨音が高かったあの日のことだ。
*篷=ほう=小舟
またまた漢詩の世界です。
高啓は水辺の田園風景を平易に書いた詩をいくつか残しています。
のんびり、ゆったり、思わず深呼吸したくなります。
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