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この絵はこの詩から生まれました ──詩の世界をアートに [第77回]


過山家 礒部晴樹・画


過山家          山家を過(よ)ぎる

流水聲中響緯車      流水声中 緯車響き
板橋春暗樹無花      板橋 春暗く 樹に花無し
風前何処香来近      風前 何処か 香の来ること近き
隔崦人家午焙茶      崦(えん)を隔て 人家午(ひる)に茶をあぶる

高啓 

流れる水音にまじって 糸車の音がする
板橋のあたり 春ほの暗く 樹には花が咲いていない
風にのってどこからか いい香り
小山のむこうの家で この昼時 茶をほうじているようだ


*今回のこの絵、ちょっと線の描き方を変えてみました。
できるだけ直線的に描いてみたのです。
最近、書道展をよく見ています。
もちろんパソコン上での話ですが、
すばらしい書家がたくさんいるんですね。
80%の書は読めません。
知った漢詩や俳句があると読めますが、
読めなくても線、形、余白の美しさは感じます。
白黒のアートとして鑑賞すれば楽しめます。
書に影響されて、私もちょっと
未知の表現にトライしてみたのです。
こうして毎回、さまざまな詩を絵にしていくと、
すこしずつ自分の表現も広がっていくようです。





         

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