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わたしの好きな詩 ──心に静かに染み渡ります [第34回]


尋胡隠君 礒部晴樹・画

尋胡隠君        こいん君をたずねる

渡水復渡水       水を渡り また水を渡る
看花還看花       花を見 また花を見る
春風江上路       春風 こうじょうのみち
不覚到君家       おぼえず君が家にいたる

高啓


引き籠っている胡君をたずねた

川を渡り また川を渡り
一面の花の原を見て また一面の花の原をみた
はるかぜ吹く 川の土手を歩いていったら
いつのまにか 君の家についたよ


*すてきな田園詩をのこしている高啓の詩です。
情報も交通機関も発達した現代、
こんな気が遠くなるほどのんびりした時間は、
どこにもありませんが、
わたしには一服の清涼剤です。


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