この絵はこの詩から生まれました ──詩の世界をアートに [第69回]
山中答俗人 山中 俗人に答える
問余何意棲碧山 余に問う 何の意か 碧山にすむかと
笑而不答心自閑 笑いて答えず 心おのずと閑なり
桃花流水杳然去 桃花 流水 ようぜんとして去り
別有天地非人間 別に 天地の じんかんにあらざる有り
李白
どうして こんな緑深い山中に 住んでいるのかと聞かれたが
笑って答えなかった 気持ちはのんびり、ゆったりとしている
桃の花を浮かべ 水が遥かに流れ去っていく
俗世間にない 桃源郷のような別世界なのだよ
*あわただしく情報がとびかう
喧騒の現代社会とはまったく正反対の、
閑雅、自然の別世界です。
この詩、李白の面目躍如といったところですが、
どこにも酒という言葉はありません。
しかし、酒を描かないことには李白の絵になりません。
緑の中の谷川、花と酒と静寂の時間・・・
キャンプすれば、こんな情景でしょうか。
現代人の究極のあこがれのライフスタイルです。
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