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この絵はこの詩から生まれました ──詩の世界をアートに [第88回]


夕江 礒部晴樹・画 


漢江         かんこう
溶溶漾漾白鴎飛    溶溶漾漾(ようようようよう) 白鴎飛ぶ
緑浄春深好染衣    緑浄(きよく)春深くして 衣を染めるに好し
南去北来人自老    南去北来(なんきょほくらい) 人 自から老ゆ
夕陽長送釣船帰    夕陽(せきよう) 長く送る 釣船の帰るを
杜牧

ようようと ゆらめき流れる川面を 白い鴎が飛んでゆく
緑の水は清らかに 春深まって 衣服も染めてしまいそう
南へ北へ 行き来しながら 人は老いてゆく
赤い夕陽が 釣り船の帰りを どこまでも照らしている


*この絵、ささやかなトライをしました。
フリーハンドの線ではなく、すべて円弧で画いてみたのです。
円弧のラインとグラデーションの効果、
古典の詩をデジタル画で描くという試み、
まだいろいろ楽しめそうです。

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