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「作業」と「業務」を取り違えない

BPRは業務改革なのですが、業務フローがどうしても書けない人がいます。
それについて、今回は少し深掘りしたいと思います。

業務フローが書けないのではなく、業務として理解していない

業務フローのことをお話ししていると、一定数の現場の職員さんがよくわからないと答えてきます。
例えば、業務をどんな流れでやってますか?順番にストーリーを書いてくださいといっても止まってしまうのです。

これの主たる原因は、業務の単位で仕事をしていないからです。

下記の図にもあるように、複数の作業の塊が業務なのですが、普段頭に入っているのが作業だけなのです。
そのため、引き継ぎの時にも口伝のように作業単位の仕事を教えるため、次の世代も作業単位でしかわからなくなるのです。

この状態だとどうなるか。
簡単なことで、作業単位の効率化しか考えられないのです。
つまり、目先の業務改善を主張してくることになるのです。

この状態だと、BPRは進みません。

ベテラン職員さんがこの状態に陥っているときは、デジタル部門、企画部門の方はできるだけ業務ヒアリングで業務の流れを聞き出すことをしていきましょう。そうしないと、何か作業が楽になるツールに頭が持っていかれて、全体のことをなぜやるのか?とう反対が起こります。

数行のストーリーしか書けないパターンもある

業務の流れを書かせると、めっちゃシンプルなのに、いざ業務フローに落とし込むと長大で複雑なものが出来上がることがあります(悩みながら作るので時間がかかりますが)。これは、業務の流れをしっかりと理解していないから、業務のポイントとなる作業単位に切り出せないことや、そもそも流れをしっかりと把握していないことが要因です。

この状態だとどうなるか。
業務フローを書かせるまで、本当に課題となる点がどこにあるのか見当をつけることもできないし、そもそもその複雑な業務フローが担当職員の頭の中にしかないことが危険な状態となります。引き継ぎの時に、この手の数行の説明だけで、中身が複雑なものは大抵の場合、伝言ゲームと同じく時代を重ねるたびに伝達エラーが起こって方法が変わってしまうのです。

この状態だと、BPRは進みません。

業務は現行の何を変えるのか、そのために何を標準化するのかを決めていかなければいけないので、この手の怪しい業務があるときには、中身を明確にしていきましょう。

作業単位の中身を詳細に書いてしまう

作業単位の内容を詳細に書いてもいいですが、そうするとぐちゃぐちゃ見にくい業務フローができあがります。業務フローのタスク単位で中で例えば、、、下記のようにあるのであれば、、、

1、A項目をチェック
2、B項目をチェック
3、C項目をチェック
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「帳票の項目をチェック」ぐらいにして、機能詳細としてそのタスクの内容を補完すればよいので業務フロー自体に書かなくても大丈夫です。
この状態も、最初の作業単位と業務単位と同じで、どのぐらいの単位で書いていいのかわからないから起こったり、やっていることをそのまま網羅するから起こるのです。

この状態だとどうなるか。
修正や追加も大変だし、そもそも見にくいので使いにくいです。
いざ、業務改革やろう!というときに、業務のウィークポイントが見えづらくなります。
業務フローは引き継ぎ書ではないので、まず右手で箸を持って、左手に茶碗を持って・・・などという動作の単位で書く必要はないのです。このあたりを、見てあげる人が支援してあげましょう。

業務と作業を切り分けて整理しよう

業務フローを進めるためには、少しずつでも今の現場の情報を整理していくことが大事です。いきなりは、全部できないかもしれませんが、できる箇所から始めていきましょう。

業務フローが分からない、難しいのではないのです。
業務自体を正しく理解していないから、そうなっていると認識を改めましょう。

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