2022年の出来事と読んだ本と観た映画と年末と
今年の特筆するべきことはやはり『吟醸掌篇』vol.4に短篇小説「鳥の餌を盗む」を発表し、しかもそれが『図書新聞』の文芸時評に取りあげられたことだろう。同人誌評ではなく文芸時評。これは大きい。商業誌に掲載された文章は権利関係が面倒くさそうでこのwebsiteには載せないことになっているので、この作品についてはけいこう舎websiteから通販している各書店へ注文していただくか、amazonでご購入いただくかしないと読んでいただけません、悪しからず。1100円+悪税です。
今年はほかにもアイスコーヒー発行の批評誌『Silence』に「トーマス・ベルンハルトと子供時代」を発表。「子供」というテーマでとのことだったので、それにかこつけてベルンハルトの紹介文を書きました。批評誌に載せるには拙劣だったかなと思うので、ここでアップする可能性は低いかと思われますが、初刷り分は完売したものの、京都での文学フリマに備えて増刷したとのことですので、機会のあるかたはぜひ。
ほんとうならばもうひとつ、「私小説とラップ」という文章を、9月ごろにはweb雑誌『MFE 多焦点拡張』に掲載していただいているはずでしたが、諸事情あって編集作業が遅れているようで、来年1月に出ればいいな、という感じのようです。
しかしたぶん1月14日発行、翌15日の文学フリマ京都にて並べられる『白鴉』33号のほうが先に発表されることになるのだろうと踏んでいます。こちらに2作載ります。
私としてはけっこうアウトプットの年だった気がしていたのですが、こうして書き並べるとインパクト薄いですね。去年末に今年はおとなしくしていようと書いているものの、これはむしろ私としては活動しているほうなので、おとなしくはしていなかったということになりますね。関係者の皆さまにはご不快ご迷惑諸々申しわけございません。
今年の読書量は34冊。昨年より25冊マイナス。観測史上最低数でした。これでもうちょっとアウトプットが盛んであったらいいのですが、そうでもないのでこれはただの怠惰ですね。今年中に『火山島』完読していたかったのですが、さいきんようやく5巻目に入ったところです。
映画の観賞回数は36回。昨年より69回マイナス。言うまでもなく観測史上最低ですが、まあ、いろんな点でこれから先、100とかは無理そうな気がしますが、50は行きたいところですね。
インプットが激減しているから、相対的に見てアウトプットの年であった、ということは言えるのかもしれません。京都のウトロ祈念館へ行ったことも印象深かったです。
あ、そういえば自宅の徹底リフォームもやりました。金使いすぎた。
2022年の本と映画の記録。2021年はこちら。
読了本34冊
『抗路』9号(抗路舎)
責任編集 武田砂鉄『開局70周年記念 TBSラジオ公式読本』(リトルモア)
キム・ジェンドリ・グムスク『草──日本軍「慰安婦」のリビング・ヒストリー』(ころから)
金石範『火山島(1)』(文藝春秋)
西成彦『声の文学──出来事から人間の言葉へ』(新曜社)
赤旗編集局 編『日韓の歴史をたどる──支配と抑圧、朝鮮蔑視観の実相』(新日本出版社)
廣瀬陽一『中野重治と朝鮮問題──連帯の神話を超えて』(青弓社)
池田喬/堀田義太郎『シリーズ・思考の道先案内1 差別の哲学入門』(アルパカ)
林誠宏『殉教者たちの終焉──父・林尊康の生涯と素顔の日朝交流私史』(人間の科学社)
和泉悠『悪い言語哲学入門』(ちくま新書)
金石範『火山島(2)』(文藝春秋)
トーマス・ベルンハルト『ある子供』(松籟社)3読目。
トーマス・ベルンハルト『原因── 一つの示唆』(松籟社)2読目。
トーマス・ベルンハルト『地下──ある逃亡』(松籟社)2読目。
『吟醸掌篇』vol.4(けいこう舎)
『ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門』(NHK出版)
勝又浩『私小説千年史──日記文学から近代文学まで』(勉誠出版)
山下壮起『ヒップホップ・レザレクション──ラップ・ミュージックとキリスト教』(新教出版社)
金石範『火山島(3)』(文藝春秋)
斎藤真理子『韓国文学の中心にあるもの』(イースト・プレス)
チャールズ・ブコウスキー『勝手に生きろ!』(河出文庫)
中村光夫『風俗小説論』(講談社文芸文庫)
後藤明生『小説──いかに読み、いかに書くか』(講談社現代新書)
『大江健三郎自選短篇』(岩波文庫)
後藤明生『小説は何処から来たか──21st Century Edition』(つかだま書房)
『星座盤』vol.16
澁谷知美/清田隆之 編『どうして男はそうなんだろうか会議──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと』(筑摩書房)
郡山吉江『しかし語らねばならない──女・底辺・社会運動』(共和国)
ドナルド・マース『感情を引き出す小説の技巧──読者と登場人物を結びつける執筆術』(フィルムアート社)
金石範『火山島(4)』(文藝春秋)
小島健太郎『必ず取れる日本国籍! 帰化申請ガイド』(セルバ出版)
古田徹也『いつもの言葉を哲学する』(朝日新書)
三木那由他『会話を哲学する──コミュニケーションとマニピュレーション』(光文社新書)
箱田徹『【今を生きる思想】ミシェル・フーコー──権力の言いなりにならない生き方』(講談社現代新書)
映画観賞回数36回
『偶然と想像』(濱口竜介)シネ・ヌーヴォ
『水俣曼荼羅』(原一男)第七藝術劇場
『ハウス・オブ・グッチ』(リドリー・スコット)大阪ステーションシティシネマ
『クライ・マッチョ』(クリント・イーストウッド)大阪ステーションシティシネマ
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(ジェーン・カンピオン)塚口サンサン劇場
『さがす』(片山慎三)テアトル梅田
『ひかり探して』(パク・チワン)第七藝術劇場
『鈴木さん』(佐々木想)第七藝術劇場
『たまらん坂』(小谷忠典)第七藝術劇場
『英雄の証明』(アスガル・ファルハーディー)シネ・リーブル梅田
『教育と愛国』(斉加尚代)第七藝術劇場
『私のはなし 部落のはなし』(満若勇咲)第七藝術劇場
『スープとイデオロギー』(ヤン・ヨンヒ)第七藝術劇場
『犬王』(湯浅政明)梅田ブルク7
『わたし達はおとな』(加藤拓也)テアトル梅田
『マイスモールランド』(川和田恵真)塚口サンサン劇場
『三姉妹』(イ・スンウォン)シネ・リーブル梅田
『あなたの顔の前に』(ホン・サンス)テアトル梅田
『イントロダクション』(ホン・サンス)テアトル梅田
『あなたの顔の前に』(ホン・サンス)2回目。テアトル梅田
『ベイビー・ブローカー』(是枝裕和)MOVIX尼崎
『モガディシュ──脱出までの14日間』(リュ・スンワン)MOVIX尼崎
『キングメーカー──大統領を作った男』(ビョン・ソンヒョン)シネマート心斎橋
『グリーンバレット』(阪元裕吾)シネマート心斎橋
『NOPE』(ジョーダン・ピール)MOVIX尼崎
『LOVE LIFE』(深田晃司)シネ・リーブル神戸
『3つの鍵』(ナンニ・モレッティ)シネ・リーブル梅田
『夜明けまでバス停で』(高橋伴明)第七藝術劇場
『ワタシタチハニンゲンダ!』(高賛侑)宝塚シネ・ピピア
『RRR』(S.S.ラージャマウリ)なんばパークスシネマ
『犯罪都市── THE ROUNDUP』(イ・サンヨン)TOHOシネマズ梅田
『奈落のマイホーム』(キム・ジフン)シネマート心斎橋
『夜、鳥たちが啼く』(城定秀夫)シネ・リーブル梅田
『MONDAYS──このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(竹林亮)シネマート心斎橋
『ある男』(石川慶)大阪ステーションシティシネマ
『そばかす』(玉田真也)シネ・リーブル梅田
『の方へ、流れる』(竹馬靖具)シアターセブン
展覧会
「フェミニズムズ / FEMINISMS」(金沢21世紀美術館)
「ぎこちない会話への対応策—第三波フェミニズムの視点で」(金沢21世紀美術館)
「在日朝鮮学生美術展 神戸展」(兵庫県立美術館 原田の森ギャラリー)
「在日朝鮮学生美術展 大阪展」(東大阪市民美術センター)
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