大阪コリアタウン歴史博物館と缶バッジと「ゆる言語学ラジオ」とウトロ平和祈念館と『キャンパー』と

 5月5日、以前に寄付していたこともあって、オープンしたら行こうと思っていた大阪コリアタウン歴史資料館へ足を運ぶ。思っていたよりも小規模ではあったものの、田中宏文庫があったりなど、資料としては重要なものも揃っている模様。さいきん収集しだしているので缶バッジを購入。いくのパークにも寄るべきだろうが寄らず、道中にいくつかあるKpopショップへふらりと入り、クリアファイルと缶バッジを購入。博多大吉氏による「大吉Podcastいったんここにいます」がいまいちやな、だいたい渡辺の「辺」は「なべ」ではなく「べ」だわ、誰かつっこめよとか若干いらいらしながら聴いたのち、「ゆる言語学ラジオ」というPodcast番組をいちばんはじめの回から聴取しながら歩いていたが、こちらはけっこう面白い番組。youtube番組もある模様。石川県で地震があったのはどうやらこのころ。こちらも揺れたはずだが私は気づかず。北陸で地震があると福井県の様子がまず気になるが、とくに話題にはなっていなかった。震源地にかつて原発建設予定があったらしい。石川県在住の知人の無事もtwitterで確認。
 スコリモフスキ監督の新作映画の初日だったので行こうかなと思っていたが、劇団タルオルムの『キャンパー』のウトロ野外公演最終日でもあり、どちらかというと逃すと観られないのは後者だなと思ったので、いったん帰宅して食事をしたあと、宇治市の伊勢田駅へ向かう。松井博之『〈一〉と〈二〉をめぐる思考』(文芸社)と澤田展人『ンブフルの丘』(北海道新聞社)を持って行く。松井博之氏が『白鴉』創立者と言える秋吉好氏の立ちあげた「文学表現と思想の会」に出入りしていたというのは驚きであった。『ンブフルの丘』は岡和田晃氏に以前紹介されていたもの。車の挙動描写がしっかりしていて面白い。「シミュレーション」が「シュミレーション」になっていたのは気になったけど。
 伊勢田駅から歩いていると車が多くて嫌になる。前とおなじこと思ってるなと思いつつ、放火跡へ足を向けてからウトロ平和祈念館へ去年の8月以来。受付がはじまるまで館内を見物。屋上には行けなくなっていたが、このときだけだったのかどうかは不明。当日券(3500円)を買って開場待ち。予約した人優先で席が埋まっていくので当日券組は真ん中のラインのやや観にくいあたり。まあ、2回目だし、話の流れはまだ頭に残っているのでとくに問題はない。はじまってすぐに流れはじめる音楽になんとなく心揺さぶられるなと。舞台上と環境上の状況がほぼ一致してしまう作品であることもあり、前に屋内で観たときよりもやはり臨場感が増していた。また、不思議と最前列で観ていた前回よりも俳優の表情がよりよく把握でき、意外と悪くない席だったかもしれないと思いなおすことになった。そして後半のとある場面で、冒頭にかかっていた音楽がかかる。ああ、こういうことかと私は冒頭で心揺さぶられた理由を理解した。そして野外でやるとなるとやるやろなと予想していた演出がラストでなされる。そして効果は絶大であった。2回目でありながらも、場の力もあってか、初見時よりも深く心動かされた。
 俳優が揃っての挨拶と告知と自己紹介ののち、作中に出てきた片栗粉を湯で溶かしたものが振るまわれる。作中に出てきたままのシンプルなやつだったらどうしようと不安を抱きながらも紙コップを受け取ると抹茶色だったのでひと安心。さすが宇治市。美味しくいただきました。ウトロ平和祈念館のInstagramでこのときの挨拶の様子も無音動画でアップされていたが、このとき画面の左端に赤い帽子にオレンジのジャケットを着た私のうしろ姿もちらりと確認できるのだった。
 帰宅すると劇団タルオルム『風の声』済州島/釜山ツアー公演サポーターの返礼品がきていた。『大阪環状線』『4.23の風』『一人芝居チマチョゴリ』のDVD。
 そして案の定、地震にかんして悪質かつ糞なデマを面白半分にツイートする輩がtwitterのTL上に蔓延っており、恥を知れと思うのだった。


さいきん読み終えた本
五野井郁夫/池田香代子『山上徹也と日本の「失われた30年」』(集英社インターナショナル)

さいきん観た映画
『午前4時にパリの夜は明ける』(ミカエル・アース)シネ・リーブル梅田

さいきん観た舞台
劇団タルオルム第19回本公演『キャンパー』ウトロ平和祈念館野外会場


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