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潮干狩りの理論 IT業界は転換期に入った

🌈潮干狩りの理論

もう随分と前だけれど、実家に戻って兄弟たちに聞いた所、昔は普通に獲れていた潮干狩りが全く獲れなくなったという。
 
昔は家族で潮干狩りに来ても食べる量程度に留めた。
稚貝を獲ったとしても小さいからと海に戻した。
 
私が関東に来てから後の話、食べる為の潮干狩りから半ばレジャーとしての潮干狩りに変った。
食べきれる量以上だろうと獲れるだけ獲る。
稚貝も持ち帰る。
 
そんなことをされた海岸に貝はいなくなった。
稚貝さえも獲りつくして、未来も貝は獲れなくなってしまった。
 
潮干狩りの理論とは、将来を見据えて収穫しなくてはならないものを一挙に取りつくした後がどうなるのかを、潮干狩りを例にして話をしているものである。
 
稚貝まで獲り尽くした海岸に再び潮干狩りが出来るようになるには長い年月が掛かります。
その間にも不正に獲るものが現れて一向に元には戻らない、そんな状況を表現していると言っても良い。
 
多くの方に今の状態を説明する際に、潮干狩りの理論として追加で説明をしていますが、非常に分かりやすいと言われている理論になります。

🌈IT業界を襲った潮干狩りの理論

そんな潮干狩りの理論に該当する出来事がここ近年IT業界に2度訪れた。
2度目は訪れようとしていると言った方が良いかも知れない。
 
1度目は、もう一年ほど前に遡るが、色んな企業の営業や役員などから、PHPの案件が少なくなったと相談された。
当時の企業にはPHPの技術者がいなかった為、気にもしてなかったが、改めて調べてみたら殆ど案件は出ていない。
 
皆その理由が分からず右往左往していた。
状況は分かるが、それが短期的なものか、長期的なものか、理由が分からなければ手の打ちようもない。
理由が分からないから、経営判断も鈍る、そんな状況であったが、最近の状況を今一度整理したら見えて来た。
 
コロナ禍によるものだと分かった。
コロナ禍となり、非常事態宣言などが発令されると、デパートや量販店など集客が出来なくなった。
そんな状態を打破するためにECサイトの制作に投資をした。通販である。
 
多くのユーザが予算も無い中ECサイトに投資をし、一斉に制作に踏み切ったため、PHPの技術者が大量に必要とされた。
金額がつり上がり、各社PHPの技術者を育て、採用しようと躍起になった。
 
しかし、コロナ禍が終わりを告げる前にECサイトは完成した。
そしてコロナ禍は開けてマスクもなしで出歩くことも出来るようになった。
 
もうECサイトに投資する必要は無い。集客が出来るようになったからだ。
今はもう一部の保守が出来る程度の技術者しかいらない。
 
この状況は、潮干狩りの理論で説明すると簡単に理解してくれる。
遠い未来でECサイトを制作していたかもしれない案件までコロナ過というタイミングで一挙に一斉に作り上げてしまったのだ。
 
将来の稚貝まで獲り尽くしてしまったのだ。
暫く出るはずもない。
 
イケイケどんどんだったPHPを得意とした企業はあっという間に沈んだ。
この話は多くの理由が分かってない経営者や営業に話をし、理由を理解して頂き経営判断につなげて頂いた。
 
日本人は儲かるという話を聞くと一斉に群がるが、その先を見通す力が余りにもお粗末。分析力も低い。
今は今、大切なのは未来である、1年後、5年後はどうなのだという考えは無いのかと思ってしまうほどである。
 
景気で言えば、ずっと好景気などあり得ない。
悲しいかな日本単独での景気の良し悪しではなくなっているし、日本単独で浮上が出来ない状態にまでダメな国になってしまった。

🌈これから起こる第二の潮干狩りの理論

2024年5月の中旬頃から30社くらいの協業先を訪問した。
そして一様に言われた話が有る。
 
Javaの案件が出てこない、技術者の提案が出来ず待機になっている。
この状態が一時なのか、更に落ち込むのかなど皆分かっていない状況ではあるが、案件が出てないことは確かである。
 
一社だけの話であれば偏りも有るとは思い、色んな企業に確認して全員の回答が全くの同じというのはもう予兆を感じているという状況ではなく、既に始まっていると考えた方が良いだろう。

当社でも売り手市場と言われる中、Javaの技術者を採用している、が提案先が本当に無いのだ。

この状況は4月から出ていたことが分かった。
4月と言えば本来新規のプロジェクトが立ち上がる時期に該当するが、この時期に出ていないと後半に大きく影響するのも容易に分かる。

今年に入ってG/Wが終わるまで自宅警備員をしていた私は状況を把握してなかったが、最初この話を聞いた際にふと頭を過ったのは、オリンピックが決まった10年前に予測していた事態ではと考えた。
 
私の考えではオリンピックが終わって3年から5年後、この状態に陥ると考えてはいたが、チョット早すぎる気がする。
 
何を予測していたか。
今から10年ほど前、オリンピックの開催が決まった時の話、IT業界ではオリンピックまでは潤うだろうと言われていた。
 
しかし、私の考えは全く違っていて、IT業界はオリンピック後3年から5年は上向きとなり、その後急激にしぼむという予測を立てた。
その理由はCOBOLの技術者が高齢となり、定年退職し始めたからだ。
 
今だに金融系(銀行や生損保)などで汎用機が使われており、COBOLの資産(死産)が多く残っている。
多くの営業は、COBOLの技術者が少なくなってはいるけれど、案件も同じく減っており、同じくらいの率での減り方だからずっと先まで大丈夫と高をくくっていた。
 
考えるべき要素が一つたりない、最後まで持つわけがなく、もう一つの要素が動き出した時、ある一点から急激にしぼむと説明した。
 
技術者や案件の数ではなく、もう一つの要素(汎用機メーカー)が損益分岐点を無視して採算も取れずゼロになるまで販売や保守などするものかという話である。
 
そして汎用機メーカーがもう製造を中止すると発表するタイミングはオリンピック後辺りと予測した。切り出すタイミングが良いからだ。

危機感をもつユーザもいるだろうが、オリンピック後のしぼみを防ぐための格好のエサとして開発側からユーザーにマイグレーションしませんかと提案する。
 
そして一斉にマイグレーションが開始される。
技術者としては汎用機側がCOBOLの技術者、オープン系側がJavaの技術者となる。
 
しかし単なるマイグレーションでは終わらない。
この際に機能追加なども行われるであろう。そう将来作るであろう新機能である。
 
この移行作業には3年から5年ほどの時間を要するであろうと予測した。
これはあくまでも感覚的なものだ。
 
オリンピックが終わって約3年が経った、その間に富士通が2022年に汎用機の製造中止を発表した。
大半が私の読み通りでは有るが、3年でしぼむとまでは考えて無かったので、何か別の要素が加わったと考えている。
 
AIやローコード、ノンコード開発も後押しをしているし、予想すらできなかったコロナ禍の影響PHPの技術者がJavaの技術者として転身したというのもあるかも知れない。
 
もし今起きていることが私の読み通りの内容であれば、Javaにおいては潮干狩りの理論がそのまま適用され、何十万人と言う技術者に影響が出る。
その影響はPHPどころの騒ぎでは収まらない。
 
私はこの話を代表にも、そして多くの営業仲間にもした。
皆一応にこの業界に何が起きているのか、私のいう事は可能性大として確かにと納得した。
 
そしてこれから起こるであろう未来に対して、保険を掛けることを強くお勧めした。
今起きていること自体が私の勘違いなら良いが、今でなくとも数年後には確実に潮干狩りの理論が起きるであろう。

更にもう一つ要素を追加する。
急激な円安、政治の不安定だな。

モノづくりをしなくなった日本では円安は致命的。
元々加工貿易をしていた企業も海外に拠点を移したところが多い。

円安になり始めて拠点を日本に移したところもありはするが、物価や原料が高騰する。
こんな状態でIT投資をする企業がどれ程いるのであろう。

昨年と比べて工場の設備投資はそれほど下落していないが、それ以外の設備投資は軒並み数分の一まで下がっている。

ユーザがIT投資しなければ、IT業界はもろ影響を受ける。
色んな理由で、今がある。
 

今、多くの営業は「何かおかしい」と肌で感じている。
しかし、理由が分からない。
 
理由が分からないと、経営陣に話も出来ない。
話をしたとしても、明確な理由を説明出来ない。
 
経営判断が鈍り、数ヶ月後に見えてから行動に移すが時すでに遅し。
売り手市場ではなく、買い手市場になっていたこと、色んなものが破綻していることに気が付く。
 
この先も記事を書いてはいたが、ここで止めることにする。
余りにも悲惨な記事になってしまったからだ。

🌈さいごに

IT業界では今だ売り手市場と思われがちですがベテランだろうと提案先が無くて困っている企業が増えてきました。

この状況は売り手市場ではなく、買い手市場に変ったのにも関わらず、理解していない人たちが売り手市場と思っているだけの状態と言えます。

悲しいのは先に企業側が買い手市場というスイッチが入る事、売り手市場だと思って転職しようとした人は転職先も見つからず、給与が下がるか干されるかとなります。

経営判断が鈍い企業はお荷物を抱えることとなり、経営が圧迫されます。
今、目を向けるべきは、予測が外れようとも保険を掛けること。

無理な採用は控える。      ※今後採用しやすくなります
ビジネスパートナーを活用する。 ※大手は採用を控えます
大手や景気に左右されない企業とのパイプを強める方に注力する。
予測通りとなった時、改めて採用を再開すれば、おのずと良い方が採用できるし、会社も安泰となります。

言うだけなら簡単なんですけれどね。

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