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会社辞めるって言ってたよねえ?

数年前(5年くらい前)の手帳を見ていたら
「2020年に独立する」
と書いてありました。東京五輪が終わったら独立できるように準備する意識で書いたのだと思います。そう言えば和田さんの営業セミナー14期(2015年)の最後に

「そう遠くない未来に独立を果たす。そのために今の勤務先で黒字化を達成して云々……」

とコミットしていたのも思い出しました。

いまや2021年、勤務先も6月1日から2021年度になりました。ここ数年はこの時期になると、多くの知り合いが企業勤めを卒業し独立していきます。さまざまなSNSを通じて、退職と独立開業の挨拶が流れてくるようになります。そんな中、僕はまだ独立せず、企業内に留まっています。
「あれ、会社辞めるって言ってたよね」
って話になるわけですが(苦笑)、環境の変化とそれに伴う気持ちの変化があり、独立は選択しないでいます。

■会社を辞めたい理由

別にいまの勤務先に対して、辞めたくなるような不満はありません。まあどんな組織にいても多少の不満はあるもので、それすらないほど満足している、わけはありません。が、辞めたくなったことはないです。人生で勤めた会社は4つめですが、初めての経験です(笑)

辞めようと思っていたのは、役職定年が関係していました。勤務先は、55歳で役職定年、と決まっていました。役職定年になってからも継続して働く気がしなかったのです。もし僕の職種が若い頃のように営業職であればそれでも続けようと考えたかもしれません。プレーヤーとして活躍する場面は作れるからです。しかしいまの僕は管理部門に来てしまった。しかも、実務については部下の方が処理能力は高い。となると、僕が残る意味が感じられなかったのです。

加えていうと、少しでも早く、体力があるうちに次の展開への準備をしておきたかったのもありました。独立したからといってすぐに自分の基盤が固まるわけではありません。それを作るのに数年かかるだろうと予想しています。60歳、65歳になってからそうした基盤作りをするのはしんどいのではないか、と考えていました。できれば60歳からの10年間はアクティブに動きたいと思っていたので、その前に基盤作りを終えたい。そこから逆算すると、55歳くらいは目途になると思っていました。

■会社を辞めない理由

しかし、幸か不幸か、役職定年に引っかからない役職にひきあげてもらっていました。さらに、平均年齢の高齢化により、役職定年の制度がなくなってしまいました。降格されても管理職から外れなくなりました。これでは役職定年を理由に辞めるわけにはいかなくなりました。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大がおき、その関係で財務担当としていろいろと手を打ちました。それを収拾しないまま辞めるわけにもいかないよね、と考えるようになったのです。

そうこうしているうちに、2021年6月1日付けで執行役員をやれ、と言われました。紆余曲折ありましたが、経理部とともに、今期から再編強化する経営企画部も担当になりました。経営企画部では、グループ会社の経営管理・支援、管理職の人材育成、外部認証(FSCやPマークなど)の維持管理などを担当します。ISOを返上したのに「ISO推進事務局」なる名前が残っていたのでこれを改変し、僕の希望で「SDGs推進室」としました。こうなってしまうと辞められないでしょう。

と、辞められないのは仕方がないからだ風の書き方をしていますが、積極的な意味も見出しています、ちゃんと(笑) 与えられたポジションでは、いままで見たことのない景色に出会えるかもしれないと思っています。それは将来の自分にとって決してマイナスではない。それどころかプラスになると考えています。

■乗りかかった船からは降りない

独立しないと見えない風景もあれば、企業内にいないと見られない景色もあります。いままで経験のない頂に立てるのであれば、経験してから外に出ても遅くはないでしょう。いま動かしている船の操縦に、一端とは言え加担している以上、どこかの港にたどり着くまで船から降りちゃいけないんじゃないかと思っているのです。

それにちゃんと後釜も育てないといけないと思っていますし。経理部は経理課と財務課の2課体制にして、経理課長には係長だった女性に昇進してもらいました。財務課は僕がやります。経理部門は全然心配していません。経理の範疇は、徐々に権限委譲を進めて彼女に任せていけば大丈夫だと思っています。問題は財務で、ファイナンスや管理会計を経営戦略・グループ戦略と結びつけて考えられる人を育てないといけないと思っています。いちばん楽なのは、社内の誰かに診断士を取らせて僕の後釜にしてしまえば良いのですが、そう都合良くもいかないでしょうし(苦笑) 試行錯誤していこうと思います。

ただ、企業内に留まるからといって、社外の動きに制限を掛けるつもりはありません。外で経験したことを内にフィードバックし、内での経験を外での活動に活かす。このサイクルを回すのが企業内診断士の醍醐味だと思っていますから。


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