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新規合格者のみなさんへ


一昨日(2022年1月14日)、中小企業診断士二次試験の合格発表がありました。正確には「口述試験を受験する資格を得た方」になるのですが、後述するようにここまでくれば、ほぼ合格したと思っても間違いはありません。
当日(つまり昨日14日の夜)、関わっている「組織内中小企業診断士協会」で日本一早い「おめでとうの会」を行いました(@Zoom)

そこで何名かの合格者の方とお話したのですが、「この時期って、こんなことを知りたいんだよな、きっと」というのが何点かありました。それは、9年前の僕が思っていたことでもあります。そこで今回は、9年前の僕のような人に向けて、自分の経験から感じていることを書いてみようと思います。

■口述試験

「大丈夫だよ、口述で落ちる人なんていないから。心配いらない」
みんなからそんな風に言われている人が多いと思います。確率論的に言えば確かにその通りですが、当事者はそう簡単に割り切れる人ばかりではないと思います。たとえ落ちるのは千人に一人だと言われても、自分のその一人になるんじゃないか、と不安に感じる人もいるでしょう。僕がそうでしたから。

結論から言えば、そんな心配することはありません。不安になる暇があったら与件文を読み返し、ABCD各社の特徴を覚えておくようにすればまず問題ありません。あとは、これから出回るであろう想定問答を見て答えをシミュレーションしておけば大丈夫です。さらに、どこかで一度、模擬面接を経験しておけば盤石だと思います。模擬面接は予備校や診断士の研究会など様々なところで行われますから、ネットで検索してみてください。
われわれ「企業内診断士の輪を広げる楽しいチーム」が所属する「中小企業政策研究会」でも実施しています。(すでに終わってしまっている分もありますけど)

蛇足ながら付け加えると、答えにくい質問、答えられない質問をされても、沈黙するのだけは避けてください。とにかくなにか喋る。なんの関係もないことを話すのはだめですが、関連することを話している自分の考えがまとまることもあります。たとえ、「正解」としては間違っていたとしても、沈黙より一億倍マシです。そもそも「正解」を求められる質問は少ないはずです。自分の考えをとにかく話しましょう。

自分が面接に臨んだ時、

「C社の海外戦略について、どんな手があり得るか」と問われました。一通り答えたのですが、「確かにその通りなんだけど……それって一般論だよね。『C社』の戦略としてはなにかないかなあ」

と再質問され、一瞬答えに詰まりましたが、すぐに話し始めました。結果的に言ったことは、その前に話した一般論とほぼ同じで、面接官には苦笑いされましたが、無事に合格しています。他の合格者に聞いたところ、似たような話はいくつかありまして。ということで、沈黙を避けさえすれば心配いらないと思っていただいて間違いありません。
それでも心配な方は、こちらの記事も参考に。

■実務補習

正式に合格後、15日の実務経験を経て診断士登録になります。そのために診断士協会で用意してくれているのが「実務補習」です。実際は実務補習以外で実務経験を証明できれば登録は可能ですから、必須ではありません。

そんなわけで、実務補習を受けるべきかどうか、という質問もされることがあります。その際は、「1回(5日間)は実務補習を経験した方がいい」と答えます。業務としてコンサルタントを経験しているなど特別な経歴があるなら別ですが、そうでなければ一度は、オーソドックスなやり方を経験した方がいいと思います。

実務補習では、いわゆる「総合診断」として、戦略から財務・マーケティングなど全ての面に渡って見ていきます。実際の現場ではそれは珍しい部類に入ります。クライアントからの要望にあわせて、財務や人事、販売促進などピンポイントの支援を行なうことが多いものです。

また、チームで診断をしていく経験もしておいた方がいいと思います。考えの違う人もいるでしょうけど、議論をし、すりあわせて、一つの報告書を作る経験は、その後の業務に必ず役に立つと思います。

■診断士協会への入会

登録とほぼ同じタイミングでやってくるのは、協会に入会するかの判断です。弁護士や税理士と違い、入会は必須ではありませんから、「入らなくてもいいんですよね」と聞かれることも多々あります。

こう聞かれたら僕は必ずこう答えます。

「とりあえず、入会したらいいんじゃない?」なぜなら「辞めたくなったらいつでも辞められるから」。

昔と比べるとさまざまな情報が飛び交うようになり、それにあわせて、ネガティブ情報も流布するようになりました。協会だけのことではないですが、そうした真偽不明の情報を信じて行動に制限を加えるのは損です。中には実務補習の指導員と相性が悪かったせいで「協会なんてくだらない」と決めつけて入会しない人もいますが、その指導員は多くの診断士の中の一人に過ぎません。たった一人との相性ですべてを判断してしまうのは、大きな機会損失だと僕は思います。

もちろん協会に入ったからと黙っていても仕事が降ってくるなんてことはありません。自分から動く必要もあります。そうしたことをした上で、やっぱり自分に合わないと思えば、辞めればいいだけのことです。別に僕は協会を押したいわけではありません。ただ、経験していないことを不確実な情報に基づいて決めつけてしまうような物事への立ち向かい方は、企業支援の場面で必ずマイナスに働くと思うから言っています。

以上、とりあえず、診断士登録まで書いてみました。その後のことは、この

記事を参考にしてください。
また、研究会の選び方は、僕のこちらの記事をどうぞ。


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