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働き方改革について~リモートワークはそんなに偉いのか~

先に書いておきますが、僕はリモートワーク推進派だし、いまのような働き方は変えた方がいいとは思っています。なにも全員が一カ所に集まって仕事をしなければいけないわけではないでしょう。

しかし、リモートワークは善、通勤する人は(時代遅れ or 新型コロナウイルスの感染拡大する)悪、みたいな乱暴な議論をする奴が出てくるので一言言っておかなくてはいけないと思った次第です。

直接のきっかけは録画しておいたこの番組を視たからです。

この中で、(株)シナモンCEOの平野未来さんの議論が明後日の方向を向いていて驚いたのでした。山口絵里子さんが
「テレワークできる業種や恩恵を受ける業種は一様ではない」
と言っているのに
「シリコンバレーや欧米では既に導入済み」
と答えていて、のけぞってしまいました。
(一応断っておきますが、平野さんが言っていた意見のすべてを批判する気はないです。部分的には賛同できることもありました。ただ、リモートワークに関わる部分は、前の議論を無視して自分が言いたことだけ言っているとしか思えませんでした)

エッセンシャルワーカーの話題も出ていました。エッセンシャルワーカーの人たちは、リモートワークはできない。そして彼らの社会的地位が一般的に低く、収入も少ない、ということです。

これは大きな問題だと思っています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大局面でよくわかったことは、本当に社会を支えている、インフラを担っているような仕事は、リモートではできないということでした。医療、介護、物流(ロジスティックス)、電気・ガス・水道、農業、小売(特に食料品)、製造現場、これらは(少なくとも現段階では)リモートワークは無理だということです。

逆に言えば、リモートワークが可能な仕事の大半は社会全体を維持するためには大して価値がないと言えます。
と乱暴にまとめてしまうわけにはいかないのですが(苦笑)
「経済」をキーワードにすれば、リモートワークもとても重要です。出勤できないから仕事が止まるならば、経済は回らなくなります。ただ「生存」、特に「当面の生存」をキーワードにすると僕が書いた乱暴な議論も成り立ち得るかな、と思います。もちろん、経済が回らないと、中期的には生存が脅かされるし、その場合、経済的な弱者から痛みが直撃しますから、リモートワークはやはり大切です。やっぱりして価値がないと乱暴にまとめてしまうわけにはいかないのです。

言いたいことは、なぜリモートワークが可能になっているのか、ベースになる環境を考えてほしいということです。stay home といいながらスーパーに行けば食料品が売っているから引きこもれるわけです。もっと端的に言えば、電気が安定的に供給されなければネットがつながらず、リモートワークなんてできないのです。いわゆるエッセンシャルワーカーと言われる人たちに感謝の念を持たずにリモートワークを賞賛するのは違うだろうと思います。

とはいえ、冒頭に書いた通り、僕ももともとリモートワーク推奨派です。できる人はどんどん進めた方がいい。たとえば、都内の勤労者の1/3がリモートに移行すれば、通勤ラッシュは相当緩和されます。僕はこの緊急事態宣言下でも毎日出社していましたが、通勤電車で恐怖を感じたことは一度もありませんでした。そのくらい空いていたのです。解除後、徐々に混んできていますが、立ったまま新聞を広げられるくらいのスペースはあります。このくらいの混雑度なら、通勤のストレスは大きく軽減されます。それが実現するだけでも、リモートワーク万歳、と思います

それと、リモートワークか出社か、の二者択一にする必要はないし、してもいけないと感じています。僕自身は、5月下旬になってリモートワークができる体制を整えたのですが、そこで実験して気付いたことは、現時点は「週2回は出社しないとダメだな」でした。2ヶ月も出社しないのは無理です。でも逆に言えば「週3回」リモートワークが可能になるのです。いままでと比べたらもの凄い進歩です。求められるのは自宅で仕事をすることではなく「多様な働き方」です。固定観念にとらわれず、試行錯誤を続けていけばいいと考えています。

*今回は穏やか? に書きましたが、本当は下記の慎泰俊さんが書かれた記事の最後に書かれている


相当にズレている議論が多い気がするので、ちゃんとしてくれないだろうか。

に触発されて書きました、今回の記事は。

それと今回は言及していませんが、篠田さんが言われている視点もよく考えた方がいいですね。この二つをごちゃごちゃにしている人は多いですから、おじさんに。


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