見出し画像

著者と対談する時に気をつけるたった1つのこと

Voicyで本に関するチャンネルを運営していることもあって、本を出した人から対談の要望をいただく機会がとても多い。
スケジュールの関係やテーマに対する優先度の関係で稀にお引き受けできない場合もあるが、基本的にはなるべく受けようと思っている。

たとえば、今月(2024年3月)は、著者対談だけで9回入っている。
だから、9冊は少なくとも読まなくてはならない。読みたい本がこれだけたくさんありながらも、9冊固定されてしまうというのは、速読術がない僕にとって、そしてVoicyが本業ではない僕にとってはなかなかの負担だ。
あまりに忙しく、時として「なんでこんなことをやっているんだ」と思うこともあるが、誰がやれと言った話でもない。
自分が好き好んで設定しているのだ。

では、なぜこういった対談を引き受けるのか?
そこには2つの理由がある。

まず1つ目の理由は、新たな思想体系に触れることができる貴重な機会だからだ。
自分も本を書くから分かるのだが、一冊の本を仕上げるのは簡単なことではない。
半年から1年くらい、一つのテーマに向き合って、わかりやすく言語化しなくてはならないし、編集者の批判も乗り越えなくてはならない。
「面白いことを思いついちゃった」というノリでは本は書けないのだ。
だからこそ、長期の出版プロセスを経て、著者にはしっかりとした思想体系が出来上がっている。
この思想体系から出てくる言葉を聞く機会はとても貴重だ。

もう一つの理由は、「セルフ人材育成」だ。
僕のような立場で社長業をしていると、普通の会社では当たり前に備わっている「人材育成」や「研修制度」という概念がなくなる。昔は、好き嫌いに関係なく、会社が研修の場を設定してくれていたのに、今はそんなことを提供してくれる人はいない。
当時は「ウザい」という気持ちもあった会社の人材育成制度だが、この立場になるとその重要さが分かる。誰もそういうことを設定してくれないから、目の前の仕事ばかりやっていたら、気付かぬ間に狭い世界で先細りしてしまう。
誰かが無理にでもその目の前の仕事から引っぺがして、視野を開く機会を作らなくてはならないのだ。
だから、今、僕は自分がその人材育成の責任者となり、荒木博行を育てなくてはならない。
荒木博行が忙しいとかは関係ない。
そこは長期的な視点に立って、育成をしていかなくてはならないのだ。

この2つ、つまり「思想体系に触れられる貴重な機会」ということと「セルフ人材育成」という概念を組み合わせて、僕はどれだけ忙しくても、積極的に著者対談を引き受けるようにしている。

しかし、他者の本を読み、そして対談する時に、必ず気をつけていることがある。

ここから先は

642字

スタンダードプラン

¥1,000 / 月
初月無料
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?