見えないビジョンと見えている危機感

少し残念な記事。

社長の頭にしかないビジョンで社員は動かないし、組織の壁も当然消えない。「モノつくらぬメーカー」はどうなりたいと言ってるわけではなく、またそれがファブレスやソフトへの偏重を言っているのだとすると、新しさは無く、なぜパナソニックがそれをやるのか?それをやる事でどんな価値を生み出すのか?が見えない。「くらしアップデート業」も純粋にOTA(記事ではIoTと言っているが)で機器のソフトウェアがアップデートされて便利・高価値になるというのもパンチ力に欠ける。実際、PCは既にある意味そうなっているし。テスラのOTAによる機能UPも確かに「新品で買った後にそのモノの価値が増す」という新しい体験をユーザーにもたらしたのは事実だが、事業としてみるとどうか?テスラもモノの販売モデルである以上、ソフトウェア機能アップデートにかかる開発コストはモノの販売を続ける事でまかなっているはず。もちろんハードウェアの機能UPに比べればその単位コストおよび流通の速度に利点はあるが。

一方で危機感だけはヒシヒシと伝わってくる。数年前にtoCからtoBに舵を切って会社の再生・再構築を始めたと聞いていたし、外部人材の採用など大胆な手を多く打っているが、その(予見できた)副作用もやはり発生しているのか。OEMとしてやれる改革の限界、立てられるビジョンの限界を如実に表しているように感じる。


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