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木のぬくもり

立ち寄ったカフェのお店が木材をコンセプトにしたお店だった。

カウンター・床・テーブル・椅子・階段・電灯などなど、店内のあらゆる箇所に木が使われている。

2階建ての建物だったが、吹き抜けの構造になっているので開放感もあってとても居心地がよいカフェだった。

じっくり観察してみると木材の色味も様々である。同じ茶色でもテーブルや椅子等の家具は明るみのある色合い。床はやや暗いトーンの色合い。この組み合わせになると、落ち着いた雰囲気の中にあっても家具が引き立って見える。

店内を照らす電灯のシェードには白みの強い木材が使われている。電球が放つオレンジ色が木材に反射して、店内の暖かさを際立たせている。

自分が訪れたのは昼間だったが、夜になるとさらに温もりのある空間が形成されるのではないかと想像する。


木材は人間を安心させる材料である。それは昔から人間と密接で近い関係にあったからだと考える。

固形燃料として使われてきている薪は古くから人間の営みに欠かせないものである。現在でも一戸建てを中心とした建物や家具の材料に木材は欠かせない。

幼いころから日常生活で何度も目に触れてきていることから、知らず知らずのうちに、人間にとって存在自体が必要不可欠となってきているのだろう。


高層の建築物や構造物ではコンクリートや鉄筋が材料の主流となっているが、木材に対して温もりを感じることはあまりない。

色合いや触れたときの感触も理由の1つだとは思うが、まだまだ木材に比べれは人間と歩んできた歴史が短く、身近な存在になってはいないのだろう。


当たり前のように身近で、必要不可欠な存在になりえたものこそ、人間は温もりを感じることができるのだと思う。