悩みとセールスの関係性について。実体験をもとに考えてみた。

こんばんはぎゅうたです。

実はここ数年で一気に白髪が増えてきました。

もはや自分だけが気になるレベルではなく
身近な人や美容師さんからも、
「白髪増えましたねー」
と指摘されるほどに。

とはいえまだ30代。
若々しくいたい僕はメッシュを入れてみたり、
そもそも金髪にしてみたり、
今も白髪染めをして白髪を隠しています。

そんな頭皮にダメージを与えるようなことを繰り返しているせいか、
今度は心なしかボリュームもなくなってきたような。。

"これはまずい"
"今のうちから対策を打たねば"

色々と調べてみます。

「病院で薬をもらう」
→薬は副作用もありそうだし、ちょっと怖い。
ただ会社の先輩はこれで増えたっていうし、検討はしてみよう。

「育毛サロン」
→これはちょっとハードル高い。
アデ〇ンスとか、昔からあるからそれなりに効果はあるんかな。ただ金額がまあまあするから、気軽にはやれない。無料体験とかもあるからまずは体験してみようかな。

「育毛ヘッドスパ」
→"世界初!育毛効果と白髪を減少させる効果のある商材を使ったヘッドスパです"
いいじゃんこれ。値段も優しい。効果がなくてもヘッドスパで普通に気持ちよかったら別にいいや。

というわけでこの
「育毛ヘッドスパ」を受けてきました。

"そんなお前の日記なんか興味ないわ!"

と言わず待ってください!

この「育毛ヘッドスパ」を受けに行ったら、
シャンプーやらなんやら色々セールスされたので、
それを自分なりに考察して
もっとこうしたら売れる
これじゃあ売れないだろうというのを
なぜなのか?と
考えてアウトプットしようと思います。

そんなnoteです。
決して僕のただの日記ではありません。

なのでぜひ読んでいただけると幸いです。

①セールスの流れ

まずは実際にどんな流れでセールスされたか
忘れないうちに洗い出しておきます。

結論としてはセールスは僕には響いてません。
どんなセールスをされて、どう思ったのか。
アウトプットしていきます。

※多少ぼかしてます。

1.悩みの確認

美容師さん(以下美)
"今日はなんで来てくれたんですか?"
ぎゅうた(以下ぎ)
"最近白髪が増えてきて。ちょっと薄くもなってきたんですよね"
美"そうなんですね。じゃあ今日のスパはピッタリです。
ぎ"どんな感じなんですか?"
美"薄くなったって気になりますよね。今薬とかも出てるけど、体への影響とか気になるじゃないですか?
ぎ"そうですね。副作用とかあるみたいだし。
美"やっぱり副作用は怖いですよね。合う合わないもあるみたいだし。"
ぎ"そうなんですよね。職場の先輩は良かったって言うけど、自分の場合どうなるのかわからないのは不安です。

ここまでは割とセオリー通り?
ちゃんと悩みを引き出して
共感までしてくれている。

「悩み」を解決することがビジネスの基本です。

2.悩みの理由を説明

美"薄毛も白髪も理由があるんですよ。"
ぎ"どんな理由なんですか?"
美"原因はいろんな理由で毛髪の細胞の成長が止まってるからなんです。"
美"毛髪は元々は白色で、成長する過程で黒くなるんですが、頭皮や毛穴になんらかの悪影響があると細胞が成長しなくなっちゃうんです。
美"成長しない髪の毛が多くなると、細い毛や短い毛が増えて、なんか薄くなったなって感じることもあるかもしれません。
ぎ"ほう。。なるほど?
美"つまりぎゅうたさんの白髪が増えて、薄くなった気がするっていうのは、おそらく頭皮や毛穴に影響があるんだと思います。
ぎ"このままほっといたらどうなるんですか?
美"このままほっとくと、髪の毛は成長しないで寿命を迎えるし、毛穴はどんどん小さくなって、新しい細胞が作られなくなります。
ぎ"ええ!?じゃあどうしたらいいですか?
美"今回のスパはそんな毛髪や頭皮の細胞を「蘇らせる」効果があるんですよ。

なるほど。
ここもまたセオリー通り。
悩みに対して、原因とこのままじゃやばいっていうことにしっかりアプローチしてくる。

頭皮や毛髪細胞についてこちらも知識が少ないので、「美容師」という権威性が説得力に繋がって、言われることに納得してしまう。
美容師のお姉さん、しっかりしてる。

3.商品の提案

ぎ"このヘッドスパで蘇らせることができるんですか?"
美"今回のスパで使うシャンプーに含まれている成分がすごいんです。NASAも注目している「テラヘルツ」という電磁波が発されるんです。
ぎ"テラヘルツ・・・?
美"このテラヘルツはNASAの調査の結果、生命の代謝、成長、育成に影響することが分かったんです。
ぎ"へぇ、つまりそれが髪の毛にも効くと?"
美"そうなんです"
美"今日はそんなテラヘルツが含まれたシャンプーを使っていきますね"
美"そしてこのシャンプー売ってるんですけど、今男性女性問わずすごい人気なんですよ。

ここでセールスが始まった。
一旦話を聞いてみよう。

美"このシャンプーを持ってきたメーカーの担当さんがいるんですけど、髪の毛フサフサだったんですよね。"
美"でも、よくBefore/Afterってあると思うんですが、今回メーカーさんの持ってきたBeforeの画像、この担当さんだったんですよ。
美"それを目の当たりにして上の人たちは取扱を決めたみたいですよ"
ぎ"目の前でそんな効果が見られたらオススメできますもんね"
美"そうなんです。だから私達もオススメしやすいんですよね"

なるほど、再現性もアピール。
それにしてもお手本通りな訴求。

その美容師さんは
まだ就職してそこそこの普通の女の子。
彼女の営業力なのか?
なんかマニュアルがあるのか?

4.キャンペーンで限定性

そしてセールスは続く。

美"このシャンプー泡立ちいいんで、一回に使う量が少なくて済むんですよ。"
美"500mlのボトルしかないんですけど、
3ヶ月は持つんで、市販のやつとコスト的にはそんな変わらないですよ。"
ぎ"僕の使ってるシャンプーなんか、300円とかですよ。それに比べたらお高いんでしょう?
美"それは安すぎです。ちゃんとケアしましょう笑"
美"定期的にキャンペーンやっていて、みなさんそういう時に試されますね。"
美"効果には人それぞれありますので"
ぎ"キャンペーンいつあるんですか?
美"だいたい6月、7月と11月くらいです。
ぎ"ってことは今キャンペーン中ですか?
美"そうです、今キャンペーン中です。今月いっぱいやってますよ。

キャンペーンと言われてちょっと心が揺れる。
今買っといた方がいいのか?
でも普通のシャンプーには困ってないし。。

美"あとでキャンペーン内容お伝えしますね"

ここでヘッドスパの施術に入る。
これはただ気持ちいい笑

施術中は最低限の声掛けくらいでしたが、
ちょいちょいテラヘルツについて説明されました。

5.販売

スパが終わって席へ移動。
席には色々冊子が置いてある。

髪の毛を乾かしながら、
その冊子を渡してくる美容師のお姉さん。

美"さっき話した「テラヘルツ」の詳細です。"
美"シャンプーだけじゃなくて、トニックとかトリートメントもあるんですよ"
美"しかもこれ、ラベルにも「テラヘルツ」が含まれていて、成分が逃げないんです"

実際の商品を渡してくる。

美"触ってみてください、ザラザラしてるのわかりますか?"
美"これが「テラヘルツ」です。
美"あ、あとキャンペーン内容はこちらです"

キャンペーンの冊子を渡してくれる。

キャンペーン内容としては
このシャンプー、1本5,000円ほど。
それをセットで買うと値引きされるという内容でした。

一番安いので2本セットの9,000円
高いのだと大容量詰め替え用とトニックやトリートメントもセットになった30,000円を超えるようなものも。

お手頃なヘッドスパをフロントエンドにして
高単価なシャンプーなどをバックエンドとして販売しているという形です。

美容師さんは色々説明してくれてましたが、
なぜかこの辺で僕の気持ちは冷めてしまっていたのか、
"そうなんだ""すごいですね"
くらいしか返答できてなかったと思います。

美容師さんもそれを察してか、
"7月いっぱいキャンペーンやってるので、よかったらまた来てくださいね"
とそれ以上営業をかけてくることはなくなりました。

②なぜ買わないと思ったか

なぜ僕は気持ちが冷めてしまって、このシャンプーを買わなかったのか?

これを考えることで、
セールスにおける何かヒントが見つかるかもしれないと思い、考察していきます。

1.美容師さんのセールスを振り返ってみる

これは教科書通りの流れだったんじゃないでしょうか?

ヘッドスパというフロントエンドを通して、
シャンプーというバックエンドを販売。

シャンプーは消耗品なので、
気に入ってもらえればリピートも見込める。

そこに繋げるためのセールスの流れとしても、

①悩みを理解
②悩みの原因とこのまま解決しないとどうなるか?
③そんな悩みを解決する商品の提案
④キャンペーンで限定性
⑤販売

さらに「美容師」という権威性と
メーカーの人のbefore/afterという
再現性まである。


ただ僕の感情は動かなかったのはなぜなのか?

2.自分の感情を整理してみる


まず前提として、
目的は
白髪や育毛に効果があるというヘッドスパを「試しに」受けることで、
そもそもシャンプーを買う気で来ていなかったことです。

試しに受けてみた結果として、
シャンプー買おうとなるほど心が動かなかったわけです。

それはなぜか?

おそらく悩みのレベルがまだ低かったのではないかと思います。

白髪も髪の毛が薄くなってきたような気がするのも、確かに自分の中の悩みであることは間違いありません。

ただ、初めて会った美容師さんに
初めて聞いたような成分を使った高級シャンプーを勧められて、
これ効くんですよと言われても、
通常のシャンプーより高いお金を払ってまで欲しくなるような価値を見出せなかったんです。

これがもっと白髪や薄毛に悩んでいて、
藁にもすがるような気持ちであれば、
きっと買ったと思うんです。

でもそうならなかった。

お手本のようなセールスをされても
そんな風に心が動かなかったということは、

僕の悩みが緊急性を要さない、
ちっぽけなものだったから。

最近食べすぎだから今日はヘルシーなものを食べようと入った飲食店で、
「当店でも使用している、オーガニックな高級食材」をセールスされている感じ。

めちゃくちゃ健康志向な方には刺さるかもしれない。
でも「ちょっと最近食べすぎた」くらいの
悩みだとそこに普通の食材よりも高いお金を払う程の価値を見出せないのと一緒です。

高級シャンプーやオーガニックな高級食材を否定したいわけではないです。

おそらく良いものには違いないし、
それによって悩みが解決される人もたくさんいると思います。

ただ僕の悩みのレベルでは、
その値段の価値を見出せなかった。

シンプルにこれが買わなかった理由かなと思います。

③どんなセールスなら買ったか

じゃあ逆に、
仮にどんな形であれば買ったか?

これを考えてみます。

過去に自分がどんな時に
値段の安い代替できるものがあるにも関わらず、
物を買ったりサービスにお金を払ったか
思い出します。


パターン① 自分の欲望を満たすため

・もっと美味しいものが食べたい
・もっと便利にしたい
・もっと楽しみたい
・もっとよく見られたい
etc...

このような、
「もっと○○したい」という強い欲望に対して、お金を払ってます。

じゃあその強い欲望はどこから生まれるか?

それは、
なりたい理想の自分と現在の自分のギャップかなと。
このギャップが大きいほど、
理想に近づきたいという欲望が強くなります。

現在の自分が理想の自分に近づけない理由。
これが「悩み」です。

今回の僕の場合は、
理想の自分と現在の自分のギャップがそこまで大きくなかった。

黒髪フサフサの自分が理想だとして、
ちょっと白髪増えてきて、少し薄くなってきたかなーくらいの現在の自分。
そんなに大きな差はないです。

だから悩みも小さいわけです。

美容師さんはそこにアプローチしてきた。
だから心に響かないんです。

じゃあこの場合響かせるにはどうしたらいいか?

理想の自分と現在の自分のギャップを大きくすればいいんです。

つまり、
理想の自分を高く見せるか
現在の自分を低く見せるか
その両方か
です。

今回の場合、
理想の自分を高くするには、
見た目が若々しくいることでどれだけいいことがあるか?
自分が想像もしていないレベルで気付かされる必要があるでしょう。
結構レベル高め。

一方で
現在の自分を低く見せるには、
今のままだとやばいというアプローチが有効です。
シャンプーしてたら意外と抜け毛多いとか、この年齢でこの白髪の量だと数年で一気に増えるケースが多いとか、危機感を持たせるイメージ。
実際僕みたいにちょっと気になるけど、危機感あるかと言われるとないわけで笑
それって無知な部分もあるからなので、
「美容師」という専門性を活かして、そこを指摘してあげればいいわけです。

なかなかお客様に対して「このままだと薄毛が進行しますよ」という美容師さんはいないと思うので、急に言われたらドキっとしそうです笑

ただ、ネガティブな表現になるので、
信頼関係は必要かなと思います。


パターン② 信頼できる人がすすめるから

信頼できる人がオススメする場合、
その信頼度に応じて条件なくお金を使うことがあります。

たとえば尊敬している上司に勧められた本をその場でポチったり、
好きな芸能人の着用してる洋服を買ったり。
昔でいうキムタクとか笑

つまり、相手への信頼はそのまま商品への信頼につながるわけです。
信頼性を高めればいい。

じゃあ今回の場合はどうすればよかったか?

僕が思うには、
ヘッドスパのリピートを目指すアプローチ、
またはこの美容室に他のメニューでも来たいと思われるアプローチをする。

いきなりシャンプーをセールスしないで、
信頼関係を築く方向性に持っていくのもありかなと。

リピートしてもらううちに仲良くなったり、
信頼関係が強くなる可能性は高くなるはず。
結果として、シャンプーの購入に繋がる可能性も高まります。

④まとめ

と好き勝手書いていたら、
ちょっと長くなってきたので、
この辺でまとめます。

今回僕がお手本のようなセールスをされても
心が動かされなかった理由。

心を動かすにはどうしたらいいか。

1つめは「悩み」を大きくすること。

僕が心が動かなかった理由。
それは「悩み」が小さかったから。

「悩み」とは、
自分の理想と現実のギャップ
そのギャップを埋められない理由です。

このギャップが大きいほど、
悩みは大きくなるし響きやすくなる。

だからこのギャップを大きくするために、
理想を引き上げる。または、現実を下げる。
理想を下げる方が難易度は低いが、
ネガティブな表現になってしまうため、
信頼関係が重要です。

この信頼関係を築くのが2つ目です。

信頼関係は、そのまま商品の信頼に繋がります。

その場の売上も大事だが、
目先にとらわれず、LTVを意識することも重要です。

ここまで、
自分の体験をもとにしたアウトプットをしてみました。

ただこのアウトプット。
ただ学んだことをそのまま表現するよりも、
自分の経験にミックスすることで
想像以上に理解が深まることに気付きました。

何か参考になったり、
よかったと思ったらスキしてもらえたら嬉しいです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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