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大腸を全摘した人の排泄音

今回はタイトルが露骨になってしまいました。

私はヒルシュスプルング病により0歳で大腸(結腸)をとっています。
前回の記事では、大腸がないことで社会生活上もっとも気を遣うのが腹鳴とトイレの確保であるという内容を書きました。

ただ、トイレを確保できたとしても、さらに気を使わなければならないことがあります。
それは「排泄音」です。
私には大腸がないため、便は水分が残っており固まっていません。水様もしくは泥状しか出ません(なので検便のとき苦労します)。そして、前回お話ししたように大量のガスが小腸にたまっています。
これを同時に排出するとどうなるか。
大爆音です。
字で表現するのははばかられるのですが、とにかくすごいものです。

ですので、トイレは場所を選ばなければいけません。
その条件として、
① トイレは完全個室であること
壁だけで仕切られて連なっているタイプでは、音が隣室に丸聞こえです。コンビニのトイレが理想的です。ですが、コンビニもトイレだけ使わせてもらうのも悪いかと小さいものを買ったりして、出費がバカになりません。コロナ禍でコンビニのトイレが使えなくなったことが一時期ありましたが、あの頃は長期休暇を取りたいと思ったほどでした。
② トイレの近くに誰もいないこと
たとえ完全個室でも、あまりもの音量で外に漏れ聞こえてしまいます(壁の厚さにもよりますが)。私は職場のトイレは基本的に使いません。同僚に聞かれるわけにいきません。今は外回りの仕事なので昼食が終わったら外に出ます。

②が確保できれば①は必須ではないですが、気を使うことこの上ないです。やむを得ず完全個室でないトイレを使うときは、周りに誰もいなくなるタイミングを見計らっています。
音を出さないようにと抑えてしまうとガスは出切りませんので腹鳴も治まりません。固形の便とおならが別々に出せればいいのですが、私にとっては空を飛ぶのと同じくらい不可能です。
なお、追加の条件として、
③温水洗浄便座(ウォシュレット、シャワートイレ)がついていること
必須ではありませんが、便がゆるくて回数の多い大腸全摘者にとっては、あるのとないのとでは快適度が大きく異なります。

結局のところ、自宅のトイレがいちばん安心できます。当たり前ですが。

排泄音の悩みなんて他人に相談できるものではありません。これまで友人や同僚に言ったこともないです。
たとえ言って理解が得られたとしても、実際この排泄音を聞かれるのは絶対嫌です。
妻にさえ、付き合っていたはじめの頃は隠していました。今思えば笑ってしまいますが、一緒に家にいるときも途中で何回か不在になる私の行動(たいていコンビニのトイレまで走っていた)を、絶対不審に思っていたに違いありません。

同じ大腸全摘者でも、こんなにトイレの場所や排泄音に気を使っているのは私だけなのだろうかとずっと思っていましたが、あるとき偶然にもこの記事をサイトで見つけ、衝撃を受けました。

大腸全摘後が同じ悩みだと感動し、まさに文字通り膝を打ちました。
同じ大腸全摘者として私も排泄音の悩みを発信してみようかなと思ったのは、この記事がきっかけです。

排泄音の悩みって、深刻であればあるほどなかなか人に言えないですよ。

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