【下痢とは】
下痢とは、糞便中の水分が増加し、泥状または液状の糞便を排泄する状態をいいます。
【副作用としての下痢の発生時期】
抗がん剤投与から24時間以内に発生するものと(早発性下痢)、抗がん剤投与後数日から10日ほどたってから発生するもの(遅発性下痢)があります。
【下痢のメカニズム】
早発性の下痢は、抗がん剤によって神経伝達物質のアセチルコリンが働いて、腸の動きをコントロールしている副交感神経が興奮し、腸の蠕動運動が亢進した結果生じます。
遅発性の下痢は、抗がん剤や抗がん剤の代謝物によって腸粘膜の萎縮、脱落などが起こり、水分の吸収障害と分泌亢進がひきおこされることによって生じます。
また抗がん剤の影響で白血球が減少し腸管感染を起こした結果、下痢が生じることもあります。
【下痢の随伴症状】
腹部症状・・・腹痛、食欲不振、悪心・嘔吐、肛門痛など。
全身症状・・・倦怠感、発熱、不眠、体重減少、脱水、電解質異常など。
【セルフケアのポイント】
・感染症を防ぐために、排便後は肛門の周りを清潔にしてください。ただし強くこすってはいけません。
・下痢があるときは、香辛料、アルコール、カフェインなど含む食品は避けるようにしましょう。
・腹部を温めましょう。腹部を温めることで腸蠕動が収まり、腹痛の緩和にもつながります。
・温かく消化吸収のよい、食物残渣の少ない食事にしましょう。
・下痢がひどい場合は脱水の危険もあるので、点滴を行う場合があります。
※発熱と下痢が同時に起きた場合は、すぐに医療機関に連絡してください。
参考・引用文献:
エーザイ株式会社 ドセタキセル・シクロホスファミド療法を受けられる方へ
ナツメ社 ナースのためのやさしくわかるがん化学療法のケア
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