見出し画像

アレルギー/過敏症

アレルギー/過敏症とは、異物に対する生体防御システムが過剰に、あるいは不当に反応することで生じる症状の総称です。
すべての抗がん剤で起こり得るとされています。

【アナフィラキシー】
 過敏症の中でも、原因薬剤の投与から5〜10分以内に起こる比較的急性期の全身性の反応を“アナフィラキシー”といいます。
さらに、この全身反応が進行して抹消不全にいたった危険な状態を“アナフィラキシーショック”といいます。
がん化学商法における過敏症は、それほど高頻度ではありませんが、重篤の場合は急激な血圧低下を伴う危険な状態“アナフィラキシーショック”にいたる恐れがあるので、注意が必要です。


【前駆症状】
血圧低下や呼吸困難などのショックを起こす前に次のような前駆症状があります。

・掻痒感(かゆみ)・冷汗・動悸・悪心・嘔吐・紅潮・熱感・鼻閉感・くしゃみ・口唇や抹消のしびれ・腹痛・便意・蕁麻疹・咳・呼吸困難感・めまい・尿意

※過敏症とは一見関係がなさそうにみえる鼻閉感、便意なども前駆症状のひとつとしてあります。
見逃さずに早期に対応することが重要です。


【乳がんに使用される抗がん薬のアレルギー/インフュージョンリアクションの発現しやすい時期】


パクリタキセル(タキソール)
・初回投与時
・急速静脈内投与時
・高用量で投与する
・投与開始1時間以内に出現することが多い
・多くが投与開始10分以内に発現

ドセタキセル(タキソテール)
・初回、2回目の投与開始数分以内に出現することが多い

トラスツズマブ(ハーゼプチン)
トラスツズマブ エムタンシン(カドサイラ)
ペルツズマブ(パージェタ)

・初回投与中または投与開始後24時間以内に出現することが多い



【予防法】
・医師が処方した前投薬(抗ヒスタミン剤、ステロイド剤)がある場合には、忘れずに内服する。
・医師の指示した投与時間通りに内服しましょう。



※引用・参考書籍
ナツメ社:ナースのためのやさしくわかる がん化学療法のケア
 学研:乳がん患者ケアパーフェクトブック
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?