乳がんと妊孕性2
※この記事は、乳がん患者ケア・パーフェクトブックより抜粋したものです。
【卵巣機能障害の予測】
・化学療法を受けたすべての患者が卵巣機能障害をきたすわけではない。
・卵巣機能障害のリスク因子として、①抗がん剤の種類②抗がん剤の使用期間・量
③治療開始前の卵巣機能(年齢、骨盤内手術歴、不妊治療の有無など)が挙げられる。
・乳がん治療でのKey drugであるシクロホスファミドなどのアルキル化薬もっとも卵巣毒性が強い。また化学療法薬の量が多く、高齢なほど障害が強くでる。
・治療後の卵巣機能障害は、主に上述の3要素から治療前に予測することができる。
【卵巣機能障害への対処】
・化学療法・ホルモン剤による卵巣機能障害時に、閉経になっているようであれば、卵子は新たに生産されることはないため、妊娠の可能性はない。そのため、わが国では現時点では公には行われていない、卵子・受精卵提供が唯一の不妊治療になる。
・無月経になっていない場合でも、月経3日目のFSHの値が20mIU/ml以上の場合は妊娠する可能性は低い。
・卵巣機能障害が起こってからの治療は限られているため、乳がん治療後に挙児希望がある場合は、妊孕性を温存する対策をとる必要がある
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