見出し画像

乳がんと妊孕性

乳がんと妊孕性について

※この記事は、乳がん患者ケア・パーフェクトブックより抜粋したものです

【乳がん治療による卵巣機能障害のメカニズム】
・卵巣機能障害は卵巣内に貯蔵されている卵子数の減少によっておこる。
卵子は胎生期につくられ、出生後は年齢とともに減少していくのみであり、
出生後に新たにつくられることはない。

・化学療法ではがん細胞だけでなく卵巣の正常な細胞にも直接作用を及ぼし、卵胞の破壊・減少、卵巣血管内皮細胞の障害、卵巣組織の線維化を起こし、ひいては卵子数を減少させることにより、卵巣機能障害を起こす。

・高齢になると、ホルモン治療法であるタモキシフェンも、機序ははっきりしていないが、卵巣機能障害を起こす。

・卵巣機能障害を起こすと、女性らしさの消失、月経異常、骨量低下、不妊を引き起こす。
女性らしさの消失、月経異常、骨量低下に関しては漢方薬などである程度の改善を認められるが、不妊については一度卵子が減少すると再度作られることはないため、不可逆的となる。

・将来挙児希望のある患者には、卵巣機能障害をきたす可能性のある化学療法やホルモン治療を行う場合は、事前に十分に説明することが重要である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?