オフコース〈Christmas Day〉今だから聴きたい、愛にあふれたクリスマスソング
「Christmas Day」(1981)は、オフコースのシングル「愛の中へ」B面曲。
私がこれを初めて聴いたのは、発表から10年近く経った1990年頃。ソロシンガーとなった小田和正さんに夢中になり、遡ってオフコースの曲を聴いていた。中学生だった。
バブル絶頂期で、恋愛を歌うキラキラしたクリスマスソングはあふれるようにあった。華やかな大人の世界が垣間見えるそれらが、大好きだった。
それに比べると「Christmas Day」は、随分さみしげにきこえた(大体当時の私にオフコースの曲は、さみしく感じられるものの方が多かった)。
荘厳なサウンドも、賛美歌のように響く小田さんと鈴木さんのハーモニーも美しい。でも私にとっては、長い間「少しさみしいクリスマスソング」だった。
ところが近年久しぶりに聴いてみると、全く印象が違っていた。
恋愛の歌でなく、もっと広く様々な人へ向けた「メリークリスマス」。周りの大切な人たち、守るべき存在への慈しみ、彼らの平穏な幸せをただ祈るような。
「クリスマスは恋人と華やかに過ごすもの」というキャンペーンは、いつ頃始まったのだろう。私も若い時はこのキャンペーンに随分踊らされた。でも近年は若い人の間で、恋愛至上主義は鳴りをひそめているらしい。
親しい人たちと、あるいは1人で、静かに過ごす人が増えている。いつもより少し贅沢なものを食べたり、ささやかな幸せを喜びながら。
そんな現代に、この「Christmas Day」はとてもよく合う。
あなたは、どんなクリスマスを過ごしますか。
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