杉山清貴、カルロス・トシキ、それぞれのオメガトライブ。シティポップの魅力〈SUMMER SUSPICION〉〈アクアマリンのままでいて〉〈Cosmic Love〉
NHK BSの「The Covers」という番組に、杉山清貴&オメガトライブが出演していた。
(観たのは2024年8月下旬、つい先日。初回放送は5月だったよう)
最大ヒット曲「ふたりの夏物語」と共に、中森明菜さんの「北ウィング」などのカバーを披露。
いずれも、シティポップのレジェンド作曲家 林哲司氏による作品。
しかもこの番組では、驚きのエピソードが披露されていた。
すごい話だ。明菜ちゃん、当時まだ未成年のはず。
本邦初公開なんだろうか。それとも有名な話なんだろうか。
「北ウィング」は誰もが知っているが、「SUMMER SUSPICION」は、「ふたりの夏物語」に比べるとそれほど知られていない。
たしかに言われてみると、「北ウィング」に似ている。
それにしても杉山清貴さん、本当にいい声。クリスタルボイス!
「ふたりの夏物語」の清涼感も「SUMMER SUSPICION」の切なさも、自在に表現してくれる。
「いい曲なんだよねー、SUMMER SUSPICION。たまにyoutubeで聴くんだけどさ」
一緒に番組を観ていた夫に言うと、
「オメガトライブの『SUMMER SUSPICION』をたまにyoutubeで聴くって……どういう状態?」
と訝しがられた。
それはそうだ。私がまだ幼児の頃の曲だ。
夫は私がnoteでこんなの書いてることも、いっさい知らないしな。仕方ない。
「……いや、いい曲なんだよ」
とだけ答えておいた。
夫は私より少し歳上で同世代だが、チャンネル権の全くない家庭に育ったため、80年代の音楽のことは知らない(90年代以降のものはよく知っている)。音楽に関してだけはまるで、ひとまわり若い人と話しているような感覚になる。
そんな夫が突然言い出した。
「シティポップっていうのは、なんなんだろうね」
「何か……さわやか? 他とは違う感じがする」
おぉ、80年代の音楽を知らない夫が、そんな関心を持っているのか。私はちょっと、解説したくなった。
「シンセとか電子ドラムとかを使っていたから、軽くてさわやかな感じがするのかも。90年代以降の音楽は何か重めの音っていうか、生楽器に近い音がいいみたいな価値観になって、80年代のこういうのは古くさいものとして扱われちゃったんだよね。それが今再評価されてるって感じ」
noteの記事を書く調子でもっともらしく(インチキくさく)説明する私に、夫は、へえ……と頷いた。
(この説明の訂正or補足、大歓迎です!コメント欄にてお願いします🙇♀️)
冗舌で説明大好きな夫の話を、ひたすら聞くことが多い私。たまにはこんなことも、あっていいじゃないか。
そんな我が家の会話はさておき、この番組は興味深かった。
何より、杉山清貴&オメガトライブが現在活動しているという事実が、興味深い。
杉山さんがオメガトライブを脱退し、カルロス・トシキさんをヴォーカルに迎えたのは、何か方向性のちがいがあったのだろうか。。と長年なんとなく気になっていたが、今こうして一緒に活動しているところが見られてよかった。
この番組ではカルロス・トシキさんヴォーカル時代について言及されることはなかったが、カルロスさん時代のものも、なかなか聴き応えがある。
「君は1000%」に次ぐヒット曲「アクアマリンのままでいて」。
バブル時代の都会を表現していて、聴くと無条件に気持ちが浮き立つ。
当時田舎の小学生でバブルの恩恵なんていっさい受けていないのに、不思議なものだ。
(もっと言うと、これが主題歌になったドラマ「抱きしめたい!」も放送されないくらいの田舎に住んでいたのにな!)
朗々と澄みきった杉山清貴さんの声と対照的な、気だるく甘いカルロスさんの声。それもまた、すごくシティポップっぽい。
どこかで感じたような、甘い倦怠感にみちた世界。
(でも多分、感じたことはない)
当時を経験もしていないのになぜか懐かしくて、30数年を経ても、思わず聴きたくなってしまう。シティポップの不思議だ。
これぞ!という感じで今1番はまっているのが「Cosmic Love」。
都会的で涼しげで、夏の終わりにふさわしい。
体感0.5℃下がります。お試しあれ。