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日記 またねって来世も有効?

2/18(日) 日記

父のお葬式。

亡くなってから今日まであまりにもバタバタしていて、実感がまるで湧かないないまま当日を迎えてしまった。

曇り予報だったのが晴れて、気持ちがいい日で良かったねと思う。

少し早めに家を出て最寄り駅に隣接しているパン屋でモーニング。
喪主の挨拶を全く考えていなかったことを思い出し、フォカッチャを食べながら黙々と考える。
お気に入りの紫陽花柄の懐紙に清書した。

書き終えてアズサちゃん(母)にどう思う?と見せたら、とってもいいと思う、ママはあなたの文章が本当に好きと言われて誇らしい気持ち。

父が昔スーパー銭湯内のクレーンゲームで取ってくれたちびとらも連れて行った

ちなみに喪服は持っていなかったので前日に買いに行った。
「これでもかってくらい派手な色の服で見送りたいのに、、」と私、アズサちゃんと店員さんに笑われた。

試着をしたらとってもお似合いですと言われ、喪服が似合ってもなと思う。
店員さんがレジで喪服を包みながら「これ田中みな実さんがドラマで着ていたモデルなんですよ〜」と言っていて、みな実の喪服で父を見送ることが決定した。


葬儀場に着き、お線香をあげる。
アズサちゃんと父は離婚して以来の再会で、「どう?15年ぶりの再会は」と聞いたら「あぁなんか、、写真で見るよりも昔のままだね」と笑いながら泣いていた。いい光景だった。

アズサちゃんに受付を頼もうとしたら、早めに来てくれたアヤノさんが私やるよと声をかけてくれる。
アズサちゃんにアヤノさんを紹介したのだけど、両者なんとも言えない困った笑顔ではじめましてをしていた。
元妻と元恋人が葬式で初対面するの、映画みたいでいいなと思った。

父がこの数年穏やかに楽しく自由に過ごせていたのは確実にアヤノさんのおかげだから、本当にありがとうねの気持ちを込めてハグをする。
どうしたの〜と笑われて、したい気分でしたと言いながらもう一回ぎゅっとした。

受付を済ませた方々が順番に挨拶に来てくださる。
正直だれと何を話したのかは全く覚えていないのだけど、「わざわざありがとうございます」「私も本当にびっくりして」「全然しっかりしてないですよ」の3ワードでほぼ全ての会話を網羅していた気がする。

本当は全然しっかりしてないし落ち着いてもないけど、私その立ち方しか知らないんで、、と500回くらい思った。

今後誰かと付き合ったり結婚したりするなら、目の前でわんわん泣けたり「今!マジで!大丈夫じゃない!!」と声高らかに宣言させてくれる(してもいいって思える)人じゃないとむりかも、激ムズ人生


真言宗のお坊さんがお経を読んでくださったのだけど、唄みたいなお経(声明?御詠歌?なんていうんだろう)がとてもとてもよかった。

喪主様からお焼香を、と声をかけられ、ゆっくり礼。
みな実の喪服は確かに私に似合っていて(少し大きくて後ろを安全ピンで止めていたけど)、そういえば父は私の喪服姿を見るのはこれが初めてなので、焼香後は心持ちターンの足取りで後ろを向いて礼。

遺影の父がサムズアップしながらこちらを見ていて、そうでしょうそうでしょうと思った。

花入れの儀の際、父よりも年上の元同僚の方が普通俺が先だろうがと呟いていて、眉間にぎゅっと力を入れた。

うしろの方で控えめにしていたアヤノさんにバカデカい花を渡し、父をお花まみれにしてもらう。
みんな泣きながら父を見ていて嬉しかった。

幼なじみのマアタンは最後まで父の顔をじっと見つめていた。
私が朱音のことを幸せにするから安心して任せてね!と伝えてくれたらしく、私も一生かけてあんたを幸せにしたいよ

火葬場に向かう霊柩車のなか、ちびとらを棺の上に鎮座させたら守護獣だった。
父の棺にもたれかかったら急激に寂しくなって、勘弁してよと思った。

悲しいことを悲しいまま受け入れるのが怖くて出来たことばかり数えたり思考の隅に追いやろうとしたりしちゃうけど、悲しむタイミングは逃しちゃだめだね〜体内に澱が溜まってく、身も心も不調
人生の基礎中の基礎を今さら学ぶ、、

火葬後は遺骨を抱きかかえながらタクシーで帰宅。
重くて暖かくて不思議だった。

夜ご飯はアズサちゃんと焼き肉。
初めて行ったお店だったけど美味しかった。

今までは父と食べた美味しいものはアズサちゃんとヤマモトさんに、アズサちゃんと食べた美味しいものは父とヤマモトさんに共有していたのに、もう共有できる人がいないじゃんふざけんなよと思った。


父がいない・会えないことはもちろんだけど、亡くなる前日にアマゾンで頼んでたお水とか亡くなる数時間前に10,000円チャージしたSuicaとか同僚たちと行くはずだった四月の旅行とか買い溜めた入浴剤とか、

そういう、明日も続くことを前提とした痕跡を見つけるたびにどうしようもなく悲しくなる。
まさか死んじゃうなんて本人も思ってなかっただろうよ〜〜

溜まっていたフィルムを現像したら父と父が最後に撮ってくれた私がいた。
本当にもっと撮っておけばよかったな

新しいフィルムカメラで撮った写真。
初めてチュクミ食べた日
年末、父親がフィルムで撮ってくれた
父の部屋。今年は桜見れてないだろうから飾ってあげた
家族写真なんて20年ぶりだった 泣いちゃうよ

この連作いろんな人に読んでもらえて嬉しかった

さよならのほとり うつくしい礼をするあなたが寂しくならないように #tanka

#ほんじつのBGM #木蘭の涙 #スターダストレビュー

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