日記 ギャルを舐めている
12/4(月) 日記
元恋人・ヤマモトさんと渋谷の麻辣春雨を食べに行く。
私とヤマモトさんが東京でいちばんおいしいと思っているお店で、付き合っている頃は何かに付けてここに来ていた。
引っ越し当日の諸々を決めるために1ヶ月ぶりに会ったのだけど、我ながら別れを引き伸ばしているみたいで嫌だなと思う。
ヤマモトさんは少し髪を切っていて、私は少し髪が伸びていた。
「髪、伸びたね」に「そうなの、今日もピカピカでキュートだよね」とうざい返しをする。
「もちろんだよ」と即座に言われて悲しくなった。
引っ越し当日は朝8時に車でうちまで来てくれるらしい。
休日の早朝稼働に申し訳なくなり、前泊する?エッチな空気になったら負けゲームしようよ、と言ったらしないよ!と笑われた。
下北から渋谷まで歩いて帰る。
ヤマモトさんは、別れたことを聞きつけた同僚や友達からの紹介ラッシュが続いていると言っていた。
が、仕事が忙しすぎてそれどころじゃなく、結局どの紹介も受けていないとのこと。残念。
大学時代の友達に「別れたならギャルと飲もうぜ!」と誘われたらしく、それは私もちょっと行きたいなと思った。
ギャルはギャルゆえに事前の予定が立てられず、ゲリラ的に開催が決まるから誘いの連絡は当日するわ!とその友達に言われたそうなのだけど、いやギャルも予定くらい組めるだろと面白くなる。
スケジュール管理が鬼上手いギャルだって絶対いるよね、とふたりで言い合った。
私はミヤモトさん(仮名、12月、結果的に毎週ミヤモトさんと飲みに行くことになった。仲良し。)にアプリのプロフィール欄を音読させた(かつそれを書き起こした)こと、私自身もアプリを始めたこと、最近は仕事へのモチベーションが上がらず気を抜くとすぐサボってしまうことなどを話した。
正直なところもう何を話したか半分くらいしか覚えていないのだけど、それでもやっぱりとても楽しくて道中ずっと笑っていた。
こんなに楽しくてこんなにお互いのことを分かっているのにもう別れてるなんて不思議
キスもセックスももうしないけれどあの頃と同じように大切に思っている、というのは、とても健全で素敵なことのように思えて嬉しくなる。
お互いどの時点で好きだったか、どこにグッと来たのか、みたいな話を延々とした。
両者なかなかトリッキーなツボがあり、これは良い伏線回収ですねとゲラゲラ笑った。
ヤマモトさんが「好きなタイプを聞かれたときになんて答えるかずっと悩んでたけどやっと分かった」と言うので聞いてみたら、「生命力の強い子」とのことだった。
「私って生命力強い?」と訪ねたら「それはもう信じられないくらい強いね!」とめちゃくちゃデカい笑顔で言われてウケた。
できれば儚げな女でありたかった。
後日、この話を幼なじみマアタン(実名、同じ星出身)にしてひとしきり笑ったのだけど、私がヤマモトさんの声音を真似るため彼だけに呼ばれていたあだ名を発した瞬間に「え、待ってそれ久しぶりに聞いた、だめだ切ない!」と言いながら突然泣き出して面白かった。
この子はいつも私よりも先に泣いてくれるな、と思うと愛おしくて、笑いながら私も少し泣いた。
ちなみに私もマアタンもマインド面での生命力は確かにとても強い。
じゃないと心にヒロミ(バカ強ハリケーン人格)を住まわせたりしない。
別れ際、ヤマモトさんは改札の前で見えなくなるまで手を振ってくれた。
引っ越しが終わったらもう本当にすべてが終わるのだろうなと思った。
翌日、マッチングアプリのチャット上で日記の交換をしている男の子にこの日の日記を送った。
とても丁寧な感想までくれていい人だなと思った。(そもそも「日記、交換しません?」というふざけた提案に乗ってくれる時点でだいぶいい人。好き。)
ただ、彼にこのnoteの存在を教えてしまったのでここに彼のことを書くことができない。
タナダさん(仮名、東北に引っ越してしまった仲良し同僚)が教えてくれた【しずかなインターネット】でも始めようかなと思った。
ちなみにこの彼のイイエピソードは「Tinderでそれぞれ別の人から3回性病をもらったことがある」。ウケる。
もうきみのデカい笑顔を目印にしなくても生きていける気がする #tanka
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?