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もう新車駆け込み需要は起きない?

一週間ぶりですね。皆さん先週一週間もお疲れ様でした。

さて、三回目の記事です。三回目の記事は前回の続きということで、難しかった今年の自動車税制について書きたいと思います。

前回の振り返り...自動車は税制が変わる二年に一回が買い時の見極めという話をしました。
で、その中でも今年は消費増税に伴い、新車購入はさらにややこしいと。
今年の新車購入(税制面)はどのようにすれば一番お得だったのか。

早速今回も、結論からいきます。
今年は軽自動車は10月より前に購入するとお得で、普通自動車については10月以降がお得に購入できました。

詳しい税制の解説は後回しにして、なんで?という疑問解消から、、、

1.日本の自動車業界の異常性
まず、前提として日本の自動車業界は世界からみても異常です。
何が異常かというと軽自動車がバカみたいに売れているということ。
ホンダのN-BOXなんて一日に見ない日がないくらいですよね。
なんと昨年のN-BOXは24万台売れてます。

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1164024.html

でこのランキングをみてわかる通り、
普通乗用車トップの日産のノートは13万台。
いや、異常でしょ。軽自動車売れすぎでしょ。

2.駆け込み需要はメーカーにとって損が多い
さて、軽自動車売れすぎでしょと理解して頂いたところで、次は壮大なテーマである駆け込み需要について話をします。
駆け込み需要は自動車メーカにとっての永遠の課題です。

駆け込み需要って、一時的に売上が増えて、次の決算ではいい数字になる。しかし、通期売上で見てみれば昨年とそんなに変わらなかったなんてことがざらにある。
さらに、他メーカーとのシェア争いで、ディーラーは疲弊し、工場の生産は追いつかない。加えて、納期のずれから、クレームは殺到。

ざっくりいうと、成果が見合ってないんです。けど、避けて通れない。
それが、駆け込み需要というものの正体です。

3.駆け込み需要に対して、自工会はどう行動したか。
自工会って何?という人は下記を参照してください。

日本では「日本自動車工業会」という団体があります。
この団体は日本で販売している自動車メーカーが加入しており、
日本の自動車業界全体の決め事を行うというものです。
1社だけの利益ではなく、自動車業界全体にいいことをしようよ。ってまあこんな調子です。

http://www.jama.or.jp

じゃあ、自工会は駆け込み需要に対して、どうしたか。
軽自動車と普通自動車の消費者購入時期をずらして、駆け込み需要を相殺したんです。
過去の幾多の反省から、そうなるように昨年末の税制大綱で自動車税制を改正しました。

さあ、いよいよ2019年税制の話です。(笑)
ボリューミーな内容となっているので、ご注意を。

(1)自動車税の減税
2019年10月以降に購入された新車(自家用乗用車〈登録車〉)から、毎年かかる自動車税がすべての排気量で引き下げられます。 例えば2000cc以下のクルマでは10〜15%程度の減税に。2年目以降も同じ税額が適用されるため、保有期間を通じて減税となります。

この減税の注目ポイントは軽自動車は除くということ。
つまり、普通自動車のみの適応ということ。

(2)自動車取得税が廃止、、、購入時にかかる税負担(最大3%)が ゼロに。
2019年10月の消費税率10%への引き上げにともない、自動車の購入時に課税される自動車取得税が廃止されます。
これは軽自動車と普通自動車共に適応ですね。

(3)環境性能割の導入
2019年10月以降、自動車の購入時に環境性能に応じて課税する 「環境性能割」が導入されます。新車・中古車とも対象となり、省エネ法の燃費基準達成度などに応じた税率が、取得価額に対して課税されます(取得価額が50万円以下は免税)。
なお、2019年10月1日から1年間限定で、税率が1%分軽減されます。
例えば小型/普通車の場合、2020年度燃費基準達成車の環境性能割税率は、本来は取得価額の2%。これを消費増税後の1年間は1%に抑える。

実態的には、無理矢理環境にいい車にシフトさせている。というよりも実質的に(2)で説明した自動車取得税の廃止は嘘で、環境性能割に名称を変えて存続するということ。

(2)と(3)に関しては消費増税よりも
もっと根深い政治的要因がありそうな...(笑)

4.結論として
さあ、話は元に戻って。
以上のようにして自工会は駆け込み需要を相殺しました。
ですので、今年は、例年比べて駆け込み需要は起きておりません。

自工会の会長であるトヨタの豊田社長も「自動車業界としても販売部門を通じて、需要の平準化を訴えていきたい。」と発言している、かつ今回駆け込み需要を抑えることができた実態。以上の二点から、消費増税などの社会的に極端な駆け込み需要は、もう今後起きなくなるでしょう。


非常にボリューミーで長くなりましたが、読んで頂いて
ありがとうございます。
また、いつも読んでくださっている皆さんもありがとうございます。

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