見出し画像

どこから手を付けていいかわからない時にどうするか?

全体最適の行政マネジメント研究会 行政課題解決セミナーレポート
2022年12月17日 オンライン開催

 みなさんの仕事は簡単なものばかりではなく、しばしば困難な問題にぶつかることはもちろん、ときにはたくさんの問題に囲まれて、どこから手を付ければいいのかわからなくなってしまうことさえあるのかもしれません。
 TOCには、そんな問題だらけの状況であっても楽に早く目覚ましい成果を出せる公式があります。
 今回のワークショップでは、実際の事例を使って、その威力を体感してもらおうと思っています。

講師メッセージより引用

ワークショップレポート

 今回のワークショップでは、東京都総務局三宅支所の岩船さんが取り組まれている離島の道路管理について議論しました。

 岩船さんは、伊豆諸島の一つ、御蔵島の都道管理の業務に携わっています。そこでは、島しょ部特有の問題、具体的には島内の施工業者のマンパワー不足や外部から物資が入りにくい等の様々な問題があり、都道の十分な管理が行えず、頭を悩ませていました。

 (岸良)都道の管理により達成したい理想、これは本当に理想ですか?手段にしか見えない。島民のための工事ですよね。この目的は何ですか?

 ワークショップが始まりました、岸良さんのファシリテートのもと、道路工事の目的を明らかにしていきます。

 (岸良)目的無きところに手段なし。手段を繋がるのは目的であるべき。目的を考えてから手段を考えなければならない。

 道路の保全は手段にすぎず、その目的は島民の安全・安心のためであることが明らかになっていきます。

 (岸良)島民の安全・安心を守る、そのためにやることは何?

 島しょ部の特有な状況においても、島民の安全・安心を守るために、
・みんなで優先順位の判断基準を決める
・書類の流れを良くして閑散期に工事を発注する
・CCPMで工期短縮する
というアクションを実行することで、みんなが工事に協力してくれるようになり、工事がスムーズに進んで同じ期間でよりたくさんの工事ができるようになり、住民に安心安全をより早く提供できる繋がりが確認できました。
 そして、そのような状況が実現できれば、御蔵島がすごい魅力的な場所になる未来を想像しながら、ワークショップが終わりました。

今回の学び

 轍にはまってしまったときは、問題解決の基本に立ち返って、問題の定義がきちんとなされているか、手段が目的化していないか、改めてチェックすることが重要。目標が明確になれば、手段ありきの思考から解き放たれて、轍から抜け出すことができそうです。

講師・ファシリテーター

岸良裕司
 株式会社Goldratt Japan CEO。全体最適のマネジメントサイエンスであるTOC(Theory Of Constraint:制約理論) をあらゆる産業界、行政改革で実践。最先端のTOC知識体系の、「楽しく」、「わかりやすく」、「実践的」な講義と、参加者をワークに集中させるファシリテーションから、たくさんの学びが得られると大好評である。

全体最適の行政マネジメント研究会

 全体最適のマネジメント理論TOC(制約理論)を活用し、「お金を使わず 知恵を使って」を合言葉に、行政、民間の参加者が垣根を越えて、日本をよくするために知恵を出し合い、問題解決に取り組むNPO法人。そのセミナーは、身近な行政課題を題材に、TOCを実践的に学べる場となっている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?