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怪談 超ショート あっという間に読める恐怖の物語。

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実体験、体験者からの伝聞、創作など、様々な怪奇と不思議な短編をまとめました。 #ショートショート #短編 #怪談 #不思議 #恐怖
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2022年5月の記事一覧

R怪談「うわさのアプリ」・・・ホラー。無作為に送られる噂のアプリが。

『エアウワサ(仮)』というスマホ向けアプリが開発された。 テキストや写真を、近くにある同じアプリを入れているスマホに、 次々に転送していく、というものだ。 iphoneの「エア〇ロップ」に少し似ている、と指摘する者もいたが、 どちらかというと、チェーンメールに似ている。 「口コミをアプリ化したようなものだな」 鋭いあなたは、アプリの本質を見抜いた。 「ある種のコンピュータウィルスのようにも思えるが、転送される情報は、インアウト共に全く同じで、スマホ内の他のデータを加工

R怪談「気がきく家電」・・・ホラー。便利だけどちょっと怖い話。

近年、家電に様々な機能が加えられるようになってきました。 これは良いな、と思ったのは、お年寄りの為の見守り機能です。 メール機能が付いたポットで、お湯を沸かすたびに、 離れた場所にいる家族にメールで連絡が行くというもの。 監視カメラのような覗かれている感じが無いし、連絡を受ける方も気が楽で安心ですね。 他には、中に入っている食材を教えてくれるセンサー付きの冷蔵庫。 買い忘れや、ダブって買うのを避けられるので、買い物の時に便利です。 ×  ×  × 家電メーカーの研究開発

「R怪談・ベタ過ぎる出会い」・・・ホラー。交差点で食パンを咥えた女子高生と衝突?

こんな、今時アニメでもやらないような、ベタな出会いが本当にあるのか。と、水野は思った。 クライアントの新製品の広告展開をプレゼンする為、夜遅くまで資料を作っていた水野は、うっかり寝坊して約束の時間に遅刻しそうになり、大急ぎで家を飛び出した。 路地の交差点を曲がる時に、食パンを口にくわえて走ってきたセーラー服の女子高生と正面衝突。食パンは道に転がり、女子高生は尻もちをついた。 それがミナだった。 「すみません。急いでたもので、ケガはないですか?」 「大丈夫です。ちょっと

「共鳴」・・・ホラー。とある姉妹が考えた事とは?・・・心臓が悪い人はご遠慮ください。

「ねえ、幼稚園の時、ぬいぐるみを取り合って、結局バラバラに壊しちゃったの、覚えてる?」 エミの声が、狭い浴室の中にこだました。 「覚えてるわよ。お姉ちゃんがアタシのポンちゃんを持ってこうとした時でしょ」 アユミは、滑りそうになりながら、浴槽の中にいる姉に鋸を渡した。 エミはちょっと不満げに声を上げながら、鋸の歯を確かめた。 「ありがとう。でも、ポンちゃんは最初アタシに買ってきてくれたのよ」 「嘘よ。アタシのクリスマスプレゼントだったのよ。お姉ちゃんはピンクのランドセ

「彼女は呪いを感じたか」・・・人生における『呪い』とは?

『人生には、様々な「呪い」がかかっているのよ』 という話を先輩のミウラさんから聞いたのは、新人歓迎会の二次会だった。 「はい」 目標にしているカッコいい先輩から聞くと、『呪い』、という普段使わない言葉も、大切なアドバイスに聞こえて、私は素直に答えた。 ミウラさんは続けた。 「呪いはあらゆる場面で生まれるわ。 まず、男女どちらに生まれるかによって、多くの社会的な期待と言う形で、 呪いがかかる。『女らしく、男らしく』というアレね。 制服が男女別になってるのも呪術の一つよ

R怪談「予防医療と遠隔治療」・・・事前に病気になりそうだと分かったら。

地方都市の医師不足に対応する為、202X年から始まったのが、 「プリディクションメディスン・予測医療」である。 これは、以前からあった予防医療の考え方を一歩進めて、 個人のDNA解析により、将来発病しそうな病気や罹患しうる感染症などを予測し、事前に当該部位の手術や、ワクチンなどの投与を行うものだ。 その先駆けとして、「PMC」プリディクション・メディスン・チップと呼ばれる小さな医療用チップを使った予測医療と遠隔治療を兼ねた実験が行われることになった。 「PMCで常に身体

R怪談「プラントミート」・・・怪談。画期的な人造肉の材料とは?

その合成肉は、これまでになく美味だった。 俺はもろ手を挙げて、開発者の坪方を称賛した。 「やったな。坪方。プラントミート開発室始まって以来の傑作だよ。材料は何なんだ」 「モモイロヘイシソウという植物の種子だけだ。これさ」 坪方はテーブルの上に並んだビーカーの中から、ピンク色の細長い植物を掴んで見せた。 「ああそうか。変な化学材料とか使ってなければ良いさ。ウン。美味い」 俺は坪方の説明を聞きながらも、新しい合成肉で作ったステーキを次々に 口に運んだ。その肉は、口の中で

「R怪談・自動診断」・・・怪談。最新式の医療器具が出した答えは。

『自動診察機器・カグヨブくん』 「こちらは、新式のAI搭載型呼気検査機『カグヨブくん』です。 こちらの吸気口に息を吐きかけるだけで あなたの健康状態が分かるんだよ」 俺の横に立った医者の説明を、 診察室のベッドに横になっている俺は、素直に頷いた。 「カグヨブくんは最新型でね。健康状態や病気の有無などの他、 患者の寿命まで教えてくれる。 しかも、その患者に必要な、薬の配合や手術室の予約、 輸血の手配までしてくれる、時には医者の代わりに簡単な診察程度なら こなすことが出来る

R怪談「ドローン」・・・怪談。手軽な空撮のはずが、奇妙なモノが・・・。

『ドローン』 手軽に空撮が出来るドローンには、マイクが無い。 プロペラの音がうるさくて、良い音が録れない、というのが一般的な理由だが、本当にそれだけだろうか。 「ねえ監督。明日の海岸のシーン、主人公が空に向かって叫んだら、 海岸線が俯瞰で全部見えるまで、ぐぐぐ~っと飛んでいくってどうスか」 主役の岡崎陸が我儘を言い出し、ロケバスの中に重い空気が流れた。 隣の席に座っている監督の三浦が露骨に嫌な顔をする。 「でもね。岡ちゃん。ドローンを飛ばすには許可がいるし、 そもそも

「遅い帰宅」・・・怖い話。滓のように溜まったものが、妻を凍らせる。

GWに入る直前、 久々に堪能できる大型連休という事で、気を許しているのか、 街中で酔っぱらいを多く見かけた。 自粛をしていた左党たちが、気持ちを解放させている。久しぶりに大手を振って飲み、大いには目を外しているのだろう。 彼らは良いが、家で待っている妻や家族は、ちょっと心配だろう。 その理由が、仕事の付き合いで無かったらなおさらである。 今回は、そんな話。 『遅い帰宅』 時計の針はてっぺんを越えている。 「休み前だからって、気を抜きすぎだろう」 私はテーブルの上