「あの世の境の橋の上で」・・・あの世に天国と地獄があるのは、なぜか?
あっという間に読める超ショート怪談。世を拗ねた男が体験した不思議とは・・・
『あの世の境の橋の上で』
秋田、羽州街道から少し外れたところに、三途川橋と呼ばれる橋が架かっている。
その先には、草一つ生えぬ荒れ果てた大地が広がり、
そこかしこから硫黄の蒸気が吹き上がっている川原毛地獄と、
名湯と呼ばれる泥湯温泉がある。
まさに、天国と地獄に通じる橋である。
徳川家康が無くなって100年ほどがたった頃の事である。
その橋のたもとに一人の男が座っていた。
名を仮に、二ノ俣大