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【詩】「すりきず」

すりむきましたら
風が鮮やか
脈打つ血の管
騒ぐ夕空

すりむきましたら
染み出す涙
ゆらぐ草むら
呼ぶ声がする

弾き語るように
思い出す
幻のような
あの街のこと

流れ流れて
ひとりのぼくが
傷つくたびに
懐かしむ場所

今はもう
呼ばない名前
呼びたくなります

泣き止みましたら
空は紺色
土手吹き抜けて
風と帰ろう

すりむきましたら
そこはふるさと
街灯くぐり
家に帰ろう

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