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キン肉マンのネタバレ騒動について、過剰反応し過ぎではないかと思いました

作者のゆでたまご先生がネタバレ投稿を控えて欲しいとの苦言、そしてジャンプ編集部がそれに沿う形でのアナウンスがなされました。

ネットでは反発が数多くみられますが過剰反応気味ではないかと感じています。著作権が理解できていればここまでアレルギー反応を起こすことはなかったと思う所でありますので、少しでも緩和材料になればという事で個人的な見解をまとめたいと思います。


発端

反応


作者にネタバレを言わせない権利はない

根本的な話として、作者にはそもそもネタバレを言わせないと言う権利が存在しません。著作権法にそんな権利は存在しないのでネタバレ感想禁止自体に法的根拠も効力も存在しません。

別件として「法律で保護される利益」というものは一応存在していますが立証にはかなりハードルが高く、普通に感想を述べていた程度ではここに抵触することはまずありません。

新聞の「見出し」に関する知財高裁判決でこの利益についてはある程度確認できますのでご参考まで。

今回の場合、画像を伴わない、劇中のセリフを伴わない感想であればまず問題はありません。仮に使用したとしても引用の範囲内であれば問題はありません。引用の範囲内かどうかは問われる可能性はあるので、万全を期すなら使わないのがベターです。

3日+2週間に意味はない

そもそもない権利の行使は出来ないので、ネタバレを含む感想の発表は当日だろうが一年後だろうが問題はありません。

逆に権利侵害のある内容であれば4日後だろうが3週間後だろうが、権利保護がされている期間内ならいつでもひっくり返せます。

以上2点から、そもそも3日以内のネタバレ禁止や2週間以内のネタバレ禁止自体意味をなしません。無い権利はないし有る権利は有る。それ以上のものではないですし、それ以下の物でもありません。

そもそもゆで先生が言ってるのはスクショ

ゆで先生自身、発端となったツイートでは「WEB『キン肉マン』の勝手なスクショのことです。」と述べている点はとても重要なポイントで、要はスクリーンショットが一番の問題点なんです。

ネタバレについてもいわゆる一般的なネタバレを指しているのではなく、話の流れでスクリーンショットの公開や権利侵害をネタバレと言ってしまっている節があります。その後出された週プレNEWSから出された声明も「SNSやブログ等、ネット上における『キン肉マン』画像利用についてのお願い」で「画像利用」が焦点となっています。

本文内においても「画像のスクリーンショット投稿について両先生と話し合いを重ねた結果」で画像のスクリーンショットが問題視されているのは明白で、全部の感想を否定しているものではありません。

問題になった段落

騒動において週プレの最後の段落がかなり問題視されていますが、ここもはっきり言ってそれほど騒ぐような内容では無いんですよ。

たとえ軽い気持ちであったとしても、漫画のスクリーンショットをSNSやブログに著作権者の許諾無く投稿(アップロード)する行為は、法で定める一部の例外(※)をのぞき、著作権の侵害にあたり、場合によっては刑事罰が科され、あるいは損害賠償請求の対象となります。悪質な著作権侵害、ネタバレ行為(文章によるものを含みます)に対しては、発信者情報開示請求をはじめ、刑事告訴、損害賠償請求などの法的手段を講じることもありますので、ご注意ください。

この段落は単に著作権に対する説明とスタンスの表明でしかないし、「刑事告訴、損害賠償請求などの法的手段を講じることもあります」は権利侵害などに対しては何事に対しても講じられるものであって別に特別なものではありません。アナウンスが有ろうがなかろうが、法的手段を講じられることは有る訳で、この表明に対して過剰に反応し過ぎではないかというのが素直な感想です。

多くの方が問題視しているのは「ネタバレ行為(文章によるものを含みます)」ですが、例えばすべてのコマのセリフを文章に起こしたものは権利侵害ですし、あるいは各コマの描写を自分なりに地の文を作成して一話丸々書いてしまうのも二次創作には該当しますから、元々文章での権利侵害は発生しうるものです。また、これまでの発言から「ネタバレ」は権利侵害に相当する部分の言い換えである点から言ってもこれは普通の内容です。

混乱の原因は著作権に対する無知

擁護する意見も反発する意見も過剰反応し過ぎという印象です。これは重複になりますが擁護する側もです。

無い権利に対して従う必要はないので、感想を3日控えるはナンセンスです。

逆にある権利に対しては意向を尊重するべきで、スクリーンショットや劇中のセリフを使わないのがベターでしょう。

著作権がある程度理解できていればここまで騒ぎになるような話では無かったように思いましたし、反発する側の人にはそもそも著作権の権利行使自体を否定したい人が散見されるので、やはり著作権そのものの周知は今後も必要だと感じたところです。

この文章が以後の権利行使に際する混乱を防ぐ一助となれば幸いです。

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