esportsって最高に興奮するよな。【PMGC2023編】
運命の最終戦。
その時、突然の試合中断…。
「何か」が起こる気がした。
今まさにマレーシアで世界大会に臨んでいる、プロesportsチーム「REJECT」が世界に誇るPUBG Mobile部門の6人(選手4人、コーチ、マネージャー)が、東京留守番組のチームスタッフである僕に与えてくれた最高の感動の走り書きメモ。
彼らのファイトが、いかに刺激と興奮を与えてくれたか。
疲れていた心と体(プロローグ)
(↑この副題が、記事の後半で伏線回収される予定)
2023年11月5日。
その日は、両国国技館に世界中のプロVALORANTチームが集まる大会「Red Bull Home Ground」 の千秋楽があったため、僕も昼から両国でVALORANT観戦を楽しんでいた。視察をしていた。
決勝戦のBO5がフルセットにもつれ込み、興奮状態で世界最高峰の闘いを応援すること8時間。
国技館特有の升席は味が合って最高だったが、慣れない長時間の胡坐。
会場ドリンクは当然ながらRedBullオンリーのため(ちゃんと探せば他にあったかも)、エナジードリンク効果で目が終始ギンギン。
当然、20時の終わるころには心身ともに疲れきっていた。
絶対に負けられない日
19:00。
本記事の本題である我がチームREJECTのPUBG Mobile部門の世界大会@マレーシアがスタート。
ここで自チームREJECTの状況を説明する。
まずREJECTが出場している大会は、PMGCという1年に一回しかない世界大会で、世界各国のリーグを1位通過した猛者が集まる、PUBG Mobile界の世界最強を決める天下一武道会である。
そしてこの日は、3週間後に開催されるグランドファイナル戦を決めるための4日間のグループ予選の最終日。
4日間の合計ポイントがランキング3位以内に入賞できれば、トルコで開催されるグランドファイナルに出場できるという運命の日。
REJECTは前日(3日目)までのポイント結果が5位。
3位までわずか15ポイント差(全然ひっくり返せるポイント差)というところまでつけて、世界の超強豪の中で遜色のない戦いぶりを見せていた。
REJECTが戦うこのグループは、全部で3つある予選グループの中でも優勝候補が多く集まる死のグループと言われるらしい(とあるアナリスト談)。
そんな中で3位の入賞争いをできている時点で、世界と肩を並べる実力を十分に発揮できていることを証明している。
だが、勝たねば未来はない。
ここで勝ち抜けば世界一を決める舞台に上がれるという、REJECT社員なら絶対に全力応援したい日だ。
起死回生のドン勝
帰宅してゆっくり観戦したいところではあったが、翌朝から撮影仕事が入っているため、REJECTオフィスに行って機材準備をしなければならなかった。
やむを得ず、両国⇒水道橋のオフィスに到着。
ガチャガチャと機材を整える一方、横目にPCモニターで大会を見ていた。
…その時だった!
最終日4戦目のドン勝
REJECT、本大会2度目のドン勝!!(1目は2日目に記録)
世界の猛者しかいない16チームを相手に、2度目のドン勝!
残すチャンスわずか2試合しかない状況で手に入れた、この1勝。
実は、REJECTの運命を左右する重要な勝利だった。
狙う3位の座にいるのは、ブラジルのド強豪チーム、A7。
毎年優勝争いに参加し、運さえ引き寄せる実力を持つ上に、チーム名まで最高にカッコいいというニクいやつら。
1戦目: 脅威の追い上げで3ポイント差に
実はその彼らが、最終日の1戦目でまさかの大コケをしていた。
一方でREJECTは着々とポイントを稼ぎ、4位に浮上。
3位までの差、わずか3ポイント!!!
ところが…。
2戦目: 世界のドン勝返し
ところが、つづく2戦目では逆にA7が大活躍し、まさかのドン勝返し。
そのため20ポイント差に引き離され、振り出しにもどる。
とんでもない展開だよ世界…。
3戦目:あとがないREJECT
つづく3戦目でもA7がポイントを稼ぐ。
REJECTも健闘したが、さらに差がひらき27ポイント差へ。
残すところ3戦で27ポイントもの差を埋めるのは、強豪相手にはかなりハードルが高い。
そんな状況に追い込まれ、A7の快進撃も続く中、REJECTが勝つ方法はたったひとつ。
「残す3戦、毎試合、A7を上回るポイントを必ず稼ぐこと」
もちろん、戦う相手はA7だけじゃない。
もう一度言うが、ここに集まっているのは世界各国を1位突破してきた猛者たち。
彼らとの戦いは激戦になること必至だし、ましてや全員倒して1位なるとなると、選手4人の個々の実力、そして連携力、さらに勝運が必要不可欠。
少しの油断が命取りになる、生き馬の目を抜く舞台。
世界で勝ち抜くというのは、そういうこと。
絶体絶命の状況で、心が折れる人もいるだろう。
実際、配信のコメント欄では諦めの声がチラホラ。
だが、REJECTは頂点のその先に行くために世界にいるのだ。
4~5戦目:運命のドン勝。からの…。
運命を左右する4戦目がはじまる。
未来が開けるかどうかの重要な戦い。
その最終局面の、実況解説の大興奮ぶりを味わってほしい。(3:16:05)
REJECT、激闘を抑えて起死回生のドン勝!!!
A7相手に差を縮め、その差は17ポイント!
まさにそこに、グランファイナルが見える!!!!
一同大興奮ですよ。
REJECTは、この4戦目での大活躍を残る5戦目、6戦目と続けることができれば、グランドファイナルが決まる…。
決まる…。
のだが…。
A7が、それを簡単には許さなかった。
つづく5戦目で、REJECTが数ポイントの獲得にとどまる一方、A7は安定の活躍で、その差は23ポイントに。。。
これはマズい。
残り1試合で、猛者たちを相手に23ポイントを詰めるというのは奇跡を起こすレベルの偉業を成し遂げるということ。
しかし、可能性がないわけじゃない。
REJECTに残された、わずかなわずかな光。
それでもやるべきことは見えていた。
3位入賞するために達成するべきは、厳しい2つの条件を同時に満たすこと。
フツーに考えたら、この2つを満たすなんて不可能オブ不可能。
もう絶望です。
実をいうと、16チーム中、4位から11位まではラストチャンス戦(各グループの中間層が集まり、そのうち上位5位までがグランドファイナルに進出できる)に参加できるため、完全に世界一への道のりが断たれたわけではない。
既に4位につけているREJECTは最終戦で仮にゼロポイントだとしてもラストチャンス枠には入れる状態。
欲を言えばグランドファイナルに直行したいが、上の条件のうちひとつを満たすことでさえ超ハードルが高い状況において、外野の人間がそれをチームに求めるというのは酷なこと。
というか、そもそもラストチャンスにすら入れない強豪チームがたくさんいる中で、REJECTは既に健闘を称えられるべき結果を出しているわけです。
応援する側は、「よくやった」「グッジョブ」とねぎらいの言葉をかけていいわけです。
そして、「またラストチャンスで魅せてくれ」と次に期待してもいいわけです。
それほど素晴らしい戦いを見せてくれているのです。
このとき、時刻は22:20。
明日も撮影で早起きのため、帰る準備を開始。
最終戦は、帰りの電車でスマホで見ようかなと。
疲れてるし。
朝早いし。
…今思えば、地平線のかなたで自チームが頑張っているのに、なんと浅はかな考えだったか。
最終戦(6戦目):世界よ、これが日本のPUBG Mobileだ。
PCの電源を落とし、玄関に向かった時、まだ配信を見ていたスタッフのモニターからある一言が聞こえた。
「次の試合、ラストマッチ(の開始)が時間がかかりそうです」
それは、試合中断のお知らせだった。
何らかのトラブルで試合がはじまらなくなったらしい。
このとき、空気というか予感というか、何かがの流れが変わるような気がした。
野球でいえば、どう考えても逆転できないような9回裏、たったひとつのエラーがすべての展開が覆ってしまうことがあるように、絶体絶命のREJECTにとって「何か」が起こるんじゃないかと、そんな気がした。
無意識に体の向きを変え、デスクに戻ってバックパックを背中から下ろし、最終戦をオフィスで見届けることにした。
スマホの小さい画面じゃなくて、デカいPCモニターで見届けようと。
下手したらいつまでも試合がはじまらず、終電を逃すかもしれない。
それでもこの最終戦こそは、REJECTスタッフのひとりとして、そしてファンのひとりとしてきちんと向き合わなければならないように思えた。
そのために、終電を逃すことなど大したことではないのではないか…。(いや、あるんだけども、そのときは何か得体のしれない何かにとりつかれていた)
書くのが疲れてきたので、いったんここでおしまい。
ではでは。