見出し画像

吉澤嘉代子さんの「綺麗」 という曲について

初めて、この曲に出逢ったのは
FMラヂオのパワープレイで
ざらついた音のカーステレオから流れてきたイントロは
紹介されたタイトルそのままの「綺麗な」音楽だった


【吉澤嘉代子というアーティスト】

まず、吉澤嘉代子さんについて簡単に紹介させて欲しい。
彼女が作る音楽には、ある特徴がある。
それは、「一曲、一曲が物語の一部である」ということだ。
妄想の中で様々な人間となり、
その主人公目線で作詞作曲をしている。

〝恋人とはじめての夜を過ごした後、朝帰りをしている女の子〟
で、あったり
〝好きな人のことを思い出して悶絶していると、脳内に「ひゅー!ひゅー!」とヤジが飛んで「もう!うるさい!」ってなっている恋真っ只中な女の子〟
で、あったり、

はたまた、
〝地獄行きのタクシーに乗っている、女房に殺された男性〟
で、あったりと、
悩める恋愛女子から、妄想大爆発なファンタジーの主人公まで
様々な人間の心情を曲にする
そんなアーティストだ。

彼女の人間像としては
とっても控えめな女の子なのだが
いわゆる「憑依型」なアーティストで
ライブも何度か足を運んだが
オタオタとしたギコチナイMCから
曲が始まると目つきがガラリと変わり
それぞれの曲の主人公が乗り移ったように表現をしていて
そのギャップには、聞く人を惹きつける魅力がある。

【「綺麗」という楽曲】

吉澤嘉代子というアーティストについて知ってもらった上で、
こちらの楽曲を実際に聞いてみて欲しい。
聴きながらどんな主人公なのか考えるのが
彼女の楽曲の楽しみ方だったりする。


🎧Apple Music
🎧Spotify
🎞
YouTube

〜ここからは、私の妄想爆発です。暖かく見守って?〜

そう、この曲の主人公はきっと
25歳の女の子。

同じ会社の
1つ年下の後輩の男の子と
最近とってもいい感じなのだが
奥手な彼はあと一歩を踏み込んで来てくれず
モヤモヤとした毎日を過ごしていた。

そんなある日、自身の異動が決まる。

その事を仕事終わりに
会社近くの公園で待ち合わせて
離ればなれになってしまう事を伝えた。

--------

そんな夜のお話の曲。
、、、だと思って聞いている(笑)

私の大好きな歌詞で

もういない私を 思い出して
一人きりの部屋で
街頭に浮かんだ 恋する私を ああ。
あの夜の私を 思い出して
一生綺麗だって 
思ってくれるのなら 
いいな いいな 

という歌詞がある。

主人公の女の子が
最後の夜でさえも何もしてこない彼に
自分が一番綺麗な姿を記憶に焼き付けてやろうという
小悪魔っぷりや
自分から思いを告げられない臆病さを感じれて
胸キュンが収まらないのだ。


また、ミソなのが
1サビ2サビ終わりに

綺麗、綺麗
(きらっきらっきらっきらっ)
綺麗、綺麗
(ぴかっぴかっぴかっぴかっ)
綺麗、綺麗
(くらっくらっくらっくらっ)

という部分。
ラスサビになるとこの部分に少しの変化が起こるのだが
そのちょっとした変化だけで
ラスサビに相応しいパンチ力が生まれる
日本語遊びを取り込んでいるのも最高なのだ。

【この曲の魅力は歌詞だけではない】


冒頭でも書いたように
この曲はそのタイトルの通り「綺麗」な音が重なって出来ている。
吉澤嘉代子さんの楽曲作りのセンスはもちろんなのだが、
アレンジが特に最高な一曲なのだ。

注目して聞いて欲しい部分は
要所に散りばめられた
「気の利いた音の演出」だ。
まるで映画音楽の様に
吉澤嘉代子さんの作った物語を盛り上げてくれている。

特に毎回鳥肌が立つのがサビ前の盛り上がり。
管楽器を中心とした
「サビいくよー!」の演出は
何100回と聞いても新鮮な感覚として心を打ってくれるのだ。

【最後に】

一耳惚れという言葉があるとしたら
はじめてそれを体感したのがこの曲だった。
聞く人それぞれの妄想を爆発させてくれる
そんな魔法を使う、
吉澤嘉代子という魔女の魅力が存分に詰まった一曲なので
この機会に彼女の作品に触れてみて欲しい。


あなたはどんな物語を妄想しますか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?