組織における「個人のゴール」の扱い方
株式会社ガイアックスと株式会社はぐくむが共同で立ち上げた、自主自律型組織への変革を伴走するコンサルティングサービスです。このnoteでは、株式会社はぐくむ代表取締役の小寺毅さんと、ガイアックス社内コーチが【コーチング / 自主自律型組織 / リーダーシップ】 などについて語り合っていきます。
こんにちは!小寺毅です。株式会社はぐくむにて脱・ヒエラルキー、脱・指示命令コントロール型の組織を目指す方々を対象にした経営コンサルティング事業を展開しています。ガイアックス × はぐくむの自主自律型組織変革コンサルティングのメインコンサルタントを務めています。
組織の躍動感はゴール設定によって決まる
ゴール(目的、目標)というキーワードは、組織に関わらせていただいている中で頻繁に登場します。ゴールにはいくつか種類があり、組織のゴールがどのニュアンスで設定されているかによって、組織の躍動感やエネルギーが変わってきます。また、組織の中において個人のゴールが扱われているかも重要で、組織を構成する人たちの生きがい、働きがいを左右すると考えています。
今回は、自主自律型組織を目指すにあたって、組織の中での「個人のゴール」をどのように扱うかについてお話ししていきます。
「Have to Goal」と「Want to Goal」
ゴールは3つの種類があり、意味合いが異なります。「Have to Goal」「Hope to Goal」「Want to Goal」の中から、組織において扱われる2つについてご紹介していきます。
まず1つ目が「Have to Goal」。「やらなければならない」というものです。
その人の内側から湧き上がる内発的動機ではなく、周囲から求められるものに起因して動くものです。例えば、会社の部下(依頼された人)が上司(依頼した人)から「これをやってください」(ゴール)と言われたとします。しかし、部下の人は与えられたゴールに対して、心の底からやりたいと思っているのではなく、上司に言われたからやらなければならないと思ってやっている、という質感です。
2つ目が、「Want to Goal」。「心の内側からゴールや未来に対して、実現していきたい。実現することにワクワクする。やり遂げたいと思っている」というものです。
前述の例に置き換えると、どちらか片方(上司)からゴールが与えられるというものではなく、共にゴールを描き、達成に向けて躍動しながら前進している状態です。
個人のゴールは会社の利益になりえるのか
従来型の組織は、先に組織のゴールがあり、そのゴールをメンバーに落とし込んでいます。それに対して、自主自律型の組織を目指す場合は、組織として達成したいゴールはありながら、組織を構成している個々のメンバーの「Want to Goal」(どこに興味関心があって、何を実現したのか、成し遂げたいのか)をしっかり聴くことが鍵になります。
多くの会社は、個人の「Want to Goal」を聴くことに対して、会社の直接的な利益にならないと感じているため、疑義や不安があるのではないでしょうか。
自主自律型組織を目指すには、従来までのやり方をアップデートし、個人を重視する方向にシフトしていくことで、今までの非常識だと感じていたものから新たな常識の創造へと繋がります。
「Want to Goal」に耳を傾け、仕事を任せていく
なぜ、組織の中で個人の「Want to Goal」を扱うことが大切なのか、少し違う切り口でお話しさせていただきます。
自主自律型組織は、組織を構成しているメンバーが他責的ではなく、自責的です。自主自律型でない場合、何事も人任せ、人から命令された通りにしか動かない、結果が出なかったのは経営陣のせい等、上手くいっていない時に、他責的になってしまっているのではないかと思います。しかしながら、自主自律型組織は構成する個々のメンバーが大人であり、自分ごととして捉えて物事に取り組み、行動します。
私が仕事をしているコンサルティングの現場では、「大人を大人として扱うこと」という考え方をご紹介することがあります。たとえ、新入社員だとしても、1人の大人であり、子供扱いせずにリスペクトを持って関わっていくことで、彼らもそれに応えて、活躍していく機運が高まりやすくなります。メンバーを子供扱いすればするほど、不思議とメンバーもそれを感じ取り、「じゃぁ、導いてください」「(どうせ答えが決まっているのなら)、答えを教えてください」という受け身になっていく傾向が強まります。
メンバーがまだ未熟だから自主自律型の組織は無理なんだと決めつけたり、あきらめる前に、自分たちリーダー陣や上司がメンバーを子供扱いしたり、過小評価していないかを1度、振り返って内省してみるのも大事かもしれません。
組織に関わっていて感じるのは、どんな人にも興味関心やアイデアの種が内包されているということです。それが表舞台で光を浴び、育っていくかどうかは、上司や周りのメンバーの関わり合いによるところが多いものです。
メンバーの「Want to Goal」に耳を傾け、対話を重ねていくことは、1人ひとりの中にある想いの種を育んでいく上の大事な土壌になります。
寄り添いながら支援的に関わることが肝心
そうした、対話の中から姿を現したメンバーの興味関心領域の事柄を、どんどん出来ることから任せていくことで、メンバーがより創意工夫をして、成長していく機会へと繋がっていくでしょう。
そこで、上司が大事にしたいのは、「任せられる範囲から任せてみる」ことであり、仮に上手くいかなかったとしても大きなダメージにならない範囲から自由に任せていくことです。
そして実行していくプロセスを見守りながら、結果の振り返りに寄り添うこと。細かく進捗管理をして、その度に評価判断を下すのではなく、どうやったら上手くいくか?どんなヘルプを必要としているか?など、寄り添いながら、支援的に関わることが肝心です。
それは、結果の良し悪しの判断をするのではなく、結末へ向かうプロセスに対して寄り添うマネジメントです。プロセスを見守りながら、「どこで悩んでいる?」「何か手伝えることはある?」と問いかけながら共に進む関わりができると、自主自律人材へと育っていくと思っています。
任せることが難しく感じることもありますが、人はトライアンドエラーを繰り返しながら成長していくものだと思いますし、自分がやりたいことや興味関心のあることであればあるほど、自分ごとで創意工夫を重ねていくものだと思います。そうした状態は、他人事で無関心なことに取り組む時よりも圧倒的にエネルギーが高く、結果、パフォーマンスにつながるものではないでしょうか。
与えられたゴールについて向かわせるコミュニケーションから、もっともっとメンバーの内にある想いや考えに光をあて対話を重ねていくことで、どんなチームでもより躍動感が高い状態へと変化していけると思っています。
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Youtubeでもお話しさせていただいております。よかったらご覧ください。
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\9/15(水)開催! イベント情報/
:New&Nextな企業研究:株式会社はたらクリエイト
〜地方発!「仕事を楽しむ人を増やす」事業作りの哲学とは〜
これからの時代に大事したい経営のあり方を実践している企業の方をゲストにお招きし、10年以上企業視察をされているモデレーター小寺氏の視点から”New&Next”をとらえ、共に考えるイベントです。
「仕事の楽しむこと」にチャレンジし続ける、はたらクリエイトの礎となる哲学に迫ります。モデレーターには、10年に渡り国内外問わず数多くの企業を視察している小寺毅氏を迎え、”New"で”Next”な企業のあり方を、共に考えるイベントです。
■イベントタイトル
:New&Nextな企業研究:株式会社はたらクリエイト
〜地方発!「仕事を楽しむ人を増やす」事業作りの哲学とは〜
■日時
9/15(水) 19:30〜21:00
■登壇者
[ ゲスト ]
株式会社はたらクリエイト CVO 井上拓磨様 / CEmO 高木奈津子様
[ モデレーター ]
株式会社はぐくむ 代表取締役 小寺毅
■詳細・イベントページ
こちら
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