3分前




昨日は帰ると、久々に
その日のうちに帰れた。

タイムカードを見たら、半月ぶりに
日付を越える前に帰れたことに気付いて
嬉しくて、ルンルンで帰路についた。



けれど、結局は電車の遅延で日付を越えるまでに家に着くか分からなくて

乗り換えまで時間があるし、
どうしても、その日のうちに帰りたくて

幸い、乗り換えの次の駅が最寄り駅なので
走って帰ることに。

こういうことするときの、わたしの深夜のやる気とテンションは昔からやばい。

アプリで見ると、徒歩で20分くらい。歩いたら、普通に日付が変わってしまう。

走ろう。
そのためのスニーカーだ。


夜道にコートとマフラーで
走るのはすこし気が引けたけど、

イヤホンを耳に突っ込んでしまうと
そんなことは気にならなかった。



この原動力は、すべて
だだっ広いおうちにいる
小さいふわふわの子のためだ。

どうしても、久々に、
日付が変わる前に帰りたかったのだ。


そのために、諦めることはできなかった。



ゆるい坂道を走る。

マフラーをしまい込んで、
ケータイをズボンの後ろポッケに入れた。


お家が見えたのは、5分前。

ドアが見えたのはそれから、1分後。

靴を脱ぐのも煩わしく、
バタバタと部屋に入り込むと

どうしたの?お待ちしてましたよ

と、いうようにきみが伸びをした。


そしていつものように、甘えた可愛い声でご飯をねだるのだ。


コートを椅子にかけ、カバンを床に落とす。
手早く手を洗い、きみの額に手を乗せて




ただいま、やっと今日中に帰ってこれたよ。


#エッセイ #ひとりごと #甘い生活

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