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低空飛行の秋

※メンタル不調のお話です。気持ちが落ちている方は読まないほうがよいかと思います。ご注意ください💦



 こんばんは。すっかり秋ですね。電車も街なかも職場も、濃い色のアースカラーで溢れてる。あんなに香っていた金木犀は、いつの間にか散ってしまいました。シャツ1枚では肌寒く、上着を忘れては取りに戻ったり、ギリギリの朝は鳥肌を立てて通勤したり、を繰り返しています。

 今、電車に乗っています。大学の同窓会に向かうため。サッカーチームかしら、子どもたちの賑やかな声が頭にキンキン響いて、イヤホンを耳に差しました。そうすれば頭の中は、曲名もわからない洋楽一色。今は子どもたちの声すらしんどい。元気出してこ!って明るいJPOPの応援ソングも、しんどい。

 そう、メンタルが低空飛行です。いろんな要因が重なったせいでこうなっているのだと思います。仕事でしんどい案件が立て続けに舞い込んできたこと。夏が終わり、肌寒くて薄暗い秋になったこと。そして、落ち込みを和らげる薬をやめたこと。夏は調子が良く、先月の診察でお医者さんと話した結果、薬をやめることにしました。しんどい時だけ頼ってね、と処方してもらった頓服薬が、今、瞬く間に減っています。

 朝、起きると体が鉛のようでつらく、午前休を取りました。職場の最寄り駅で涙が止まらず、真っ赤な目で出勤する訳にはいくまいと困り果て、トイレにこもって目を冷やしました。ただでさえ事務仕事が遅れているところに他部署のひとが乗り込んできて、「この事態を招いたのは、あなた」と1時間あまりお説教し、理想論を捲し立てて去っていきました。さぞ気持ち良かったことでしょう。アポ無しでお説教。しかも1時間です。片付けようと思っていた仕事は山積みのまま。残業しても頭はうまく回らず(普段から回りは鈍いのですが)、やっぱり片付きません。徒労感でぼうっとしていたところに「大丈夫?」と声をかけてもらったとたん、涙が止まらなくなりました。周りにどんどん人が集まってきて、口々に励ましてくれました。あたたかいなあ、ありがたいなあ、と思う一方で、もうやだなあ、と鳩尾のあたりが鈍く痛みます。つらいなあ。つらいなあ。なにより、業務時間に泣いてしまったことが悔しい。叱られている間や、理不尽なクレームで泣いたことは、一度もありません。毅然とした態度で、というキャッチフレーズを骨身に沁みこませているつもりだから。でもね、そのあと、山場を越えたあと、ねぎらいの言葉をかけられると涙腺が緩んでしまう。優しくされると涙が止まらなくなってしまう。もっと強くなれないものか。

 頓服の薬の後にお酒を飲んで酩酊した日もありました。翌日何も覚えておらず、怖いなあと思う一方で、酩酊するって楽だな、嫌なことを忘れられて……と繰り返したい気持ちも、ほんのちょっとあります。「次にやったら、怒るよ」と、夫には真剣に叱られました。そりゃそうだよな。逆だったら、私もきっと、そう言うもんな。薬、やめたい。でもやめたら、もっともっと深く暗いところに落ちていきそうで、怖い。

 同窓会、どうかしら。帰りの電車で笑えているかしら。キラキラしたみんなと自分を比べて、より落ち込まないかしら。大企業で華々しく働く子も、赤ちゃんが生まれた子もいます。私は自分のことでいっぱいいっぱい。不安定なこころが足元を縛って、この先の人生を進められるのか、漠然と怖いのです。ああずっと、この電車に揺られていられればいいのに。

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