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熱海 稲取 金目鯛

稲取温泉に行ってきました。

宿を取るまで、恥ずかしながら「稲取」の地名を知らず……。伊豆半島の右斜め下、伊東と河津の間あたり。在来線にのんびり揺られ、特急踊り子でびゅーんと走ること3時間半。波の音と潮の匂いがする長閑な温泉地で、1泊2日を過ごしてきました。

熱海で途中下車

せっかくだから寄って行こうと、乗り換え駅の熱海で降りることに。熱海で食べたいと思っていたのが、

熱海ばたーあん

あんことバターの組み合わせって、どうしてこんなにおいしいのでしょうか。発見したひと天才だよ。
薄く柔らかい皮の中に、つぶあんととろとろのバタークリームがみっちり詰まってる。あんこバターを心ゆくまで堪能したい!っていう欲求を叶えてくれるパン。並んだ甲斐があった。

バタークリームは!

お次は夫リクエストで、鯵の唐揚げを。

熱海限定の青のり味

駅前のベンチに座ってぽりぽり食べる。青のりの香りと絶妙な塩加減で、箸が進む進む。味噌汁と白米が欲しくなるねえ、と話す。

小腹を満たしてから、稲取へ出発。
特急踊り子に乗る。

お隣の電車、夏仕様で可愛い

日曜の昼過ぎだったせいか、車内はガラガラ。過ぎ去って行く伊豆の街を眺めていたら、眠気が……。夫も隣で爆睡している。

電車に揺られてうとうとするの、休日感があって良いな。……なんて幸福感を噛み締めて目を瞑っていたら、あっという間に伊豆稲取駅へ。


お宿に到着

今回のテーマは「観光を頑張らない旅」。温泉に浸かり、食べたいものを食べて、たくさん眠ろう!と話していた。だからあんまり外に出ず、メインは宿。ちょっともったいない気がしなくもないけれど、ふたりともエネルギー枯渇気味だし、こういう旅も良い。

宿の前にて

宿は温泉旅館「いなとり荘」。露天風呂から見える海が絶景と聞き、ここに決めました。

お茶菓子に、ニューサマーオレンジのゼリーと黒豆茶。冷たくて爽やかで、ほてった体に沁みる……。

逆光で暗すぎちゃったな

部屋の大きな窓から海が一望できる。あいにくの曇りだった。晴れたらもっと絶景だろうなあ。

荷物を置いてから、晩酌用のお酒とおつまみを買いに行く。買う時はお腹が空いているのでたくさんカゴに入れるくせに、豪華な夕食で満腹になって、結局いつも持ち帰る羽目になる。今回も例に漏れず、一袋も開けなかったよ。

奥のデイリーヤマザキで調達

宿に戻り、予約していた貸切露天風呂へ。

海と空、めちゃめちゃきれい

昼間から入る露天風呂は、最高の贅沢だった。仕事の雑務であっぷあっぷしていた日常が遠ざかっていく。夫といろんな話をした。……内容を覚えていないくらい、些細な話。夜ごはん楽しみだねえとか、次は金沢に行きたいねとか、そんな話。

夫はラムネで乾杯

風呂上がりのフルーツ牛乳。瓶入り版はなくなっちゃったんですってね。ペットボトルも可愛いけれど、温泉では瓶で飲みたいなあ。唇に当たるひんやりした感触が恋しい。


夕食!!!

さてさて、いちばん楽しみにしていた夕食の時間が、やってまいりました!

わさび風味の枝豆、もっと食べたいよう
海の幸!新鮮!ぷりぷり!
たっぷりバターとレモンをしぼって、鮑のステーキ
金目鯛 こんな美味しい煮付け、初めて…
金目鯛のしゃぶしゃぶ 紅葉おろしに合う
枝豆万十(揚げ物) お出汁まで美味しい
ぶどう、いちじく、りんごコンポート、桃のジュレ

金目鯛と海鮮がメインの夕食、もうほんとうにおいしくておいしくて、夫とずーっとにこにこしてた。お喋り上手な中居さんが親切に世話を焼いてくださって、捌き方のわからなかった鮑も煮付けも、おいしく楽しめた。やっぱりお腹がパンパン。苦しい。けど幸せ……。


露天風呂、夜の海

部屋に戻るやいなや、夫は布団に倒れ込んで寝てしまった。お風呂を全部制覇する!と息巻いていたのに、満腹感には勝てないよね。私はひとり女風呂へ。

最上階の露天風呂は、海が一望できるのだとか。

昼間はこんな感じらしい。宿のHPより。

遅い時間だったせいか、入浴客は私1人だけだった。あたり一面真っ暗なので、波の音が聞こえるだけ。たまにサーチライトの灯りが水平線に揺れる。目が慣れてくると、黒々とした闇の中で、岩にあたって砕ける白い波が見えた。なんだかしんみりした気持ちになる。仕事で関わるひとたちの人生のことを、自分のこれからのことを、ふと考えてしまう。そうだ、同窓会のお知らせが来てた。行こうかな、どうしようかな。華々しい世界で活躍している同期の子たちに引け目を感じて落ち込まないだろうか。私も往生際が悪いなあ。自分で決めた道なんだから、人は人、自分は自分って、さっぱり割り切ればいいのに。私も頑張ってるよ!って、自分を誇れればいいのに。

しんみりしたまま部屋に戻ったら、夫が直立不動で寝息を立てていた。彼は寝相が非常に良く、いついかなるときもこの体勢なので笑ってしまう。こんなときくらい大の字になればいいのにね。


日の出とともに起床

「外めちゃめちゃきれいだよ!」
翌朝、夫の声で覚醒する。たっぷり眠った彼は日の出前に自然と目が覚めたらしい。

5:23の空

同じ宿のお客さんらしき人たちが、ぽつんぽつんと展望デッキに座っている。ぱっと顔を洗い、カメラを持って外に出た。

伊豆大島がうっすら見える
綿雲

朝の海辺は、昼間と比べ物にならないくらい涼しかった。波の音が心地良い。リリリリリ、って鈴虫みたいな声がする。もうすぐ秋なんだなあ。でもきっと、ギリギリまで夏が粘って、秋は一瞬で過ぎて、あっという間に冬になるんだ。


朝風呂、朝食

もう1回露天風呂に入りたいね、と夫と話し、運良く空いていた貸切風呂へ。昨日とは別のお風呂を案内してもらう。

普段、帰宅からの寝落ちで週3回は朝風呂しちゃっているけれど、こんな贅沢な朝風呂は大歓迎。

太陽が昇ってくると日差しが熱い。やっぱり夏だ。まだまだ夏だ。お湯と日差しで汗だくになる。夫に、夕飯で何がいちばんおいしかった?と訊かれる。金目鯛の煮付け、と答える。彼はしゃぶしゃぶがお気に召したそう。2人して食べることばかり考えている。

わがまま定食

朝食はバイキングだった。和洋折衷で食べたいものを詰め込んだら、すごいことに。オレンジジュースに、鯛のお茶漬け、さつまいもクロワッサン、スクランブルエッグ、だし巻き卵、ウインナー、サラダ、金目鯛の西京焼き、なめろう、鮭の刺身、明太子、岩のり、浅漬け。とんでもない贅沢だ。夫はきれいに和食とほうじ茶を合わせていた。彼らしい。

露天風呂で汗をかき、バイキングで満腹になって、案の定 睡魔が襲ってくる。ありがたいことに12時チェックアウトだったので、部屋に戻ってひと眠りした。最高の二度寝。幸せってこういうことかあ、とまどろみながら思う。でもそろそろ、我が家が恋しくなってきた。


稲取キンメで〆る

夫リクエストで、金目鯛のお寿司を食べて帰ることに。稲取が金目鯛で有名だってこと、来るまで知らなかった。中居さん曰く、稲取で一本釣りして、その日のうちに水揚げした金目鯛を「稲取キンメ」というのだそう。そもそも、金目鯛が深海魚ってことも知らなかった。てっきり鯛の仲間だと思ってた。

街灯にも金目鯛がいるよ
きれいな桜色

「稲取金目 魚八寿し」に入る。せっかくなので金目寿しを注文する。表面が炙られていて、脂が乗ってて肉厚で、口の中で甘くとろけて、おいしい……。金目鯛のあら汁もびっくりするくらいおいしかった。魚好きの夫が、金目鯛食べるためにまた稲取に来たいね、と言う。ほんとうにね。


日本全国いろんな地域をめぐって、その土地のおいしいものを食べて、写真をたくさん撮って、こうして旅行記を残したい、と思うのでした。
読んでくださりありがとうございました🐟

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