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私の読書遍歴

長いあいだ眠っていた本の虫が復活して、2ヶ月ほど。唐突に、読書遍歴を文章にしたくなりました。幼少期から振り返りつつ、つらつら書きたいと思います。

小学校時代


転校を経験した小学校時代、本は友達でした。仲のいい友達がクラスにいなくても、担任の先生が苦手でも、本があれば楽しい気持ちになれました。当時、頭の中の半分は本と空想が占めていたように思います。

低学年のころ好きだったのは『世界の名作』シリーズ。図書室で、イソップ童話やグリム童話を読みました。それから、小学館や集英社が出版している『世界の偉人』の漫画。ヨーロッパの偉人が好きでした。理由は絵柄が可愛いから。煌びやかな衣装を着て目がキラキラしていて、惹かれたんですよね。
ハリーポッター』シリーズは、母が読み聞かせをしてくれました。バーティ・ボッツの百味ビーンズ等、魔法界のお菓子を食べたくてたまりませんでした。
本を読むと両親に褒められ、嬉しかったのを覚えています。おもちゃをねだると渋る両親も、本は進んで買い与えてくれました。

3年生になり出会ったのが、講談社の『青い鳥文庫』。卒業するまで、制覇する勢いで読みました。
最初に出会ったのは、倉橋耀子先生の『いちご』。『青い天使』『カミングホーム』『ペガサスの翼』『ラッキーチャーム』『ホーリースクール』『月が眠る家』『パセリ伝説』…ほとんどが女の子の成長物語。やんちゃだった彼女たちがいい子に変身していくため、こんな子いる訳ないじゃん…と幼心に思いつつ、それでも好きでした。

あさのあつこ先生の『テレパシー少女蘭』シリーズにもハマりました。蘭と翠の軽妙な掛け合いを、いつも爆笑しながら読みました。

それから、松原秀行先生の『パスワード』シリーズ。作中のパズル含め、夢中になりました。電子探偵団の恋模様もドキドキしながら読んだなぁ。マコトとみずきカップルが推しでした。今では中学生になっているようですね。読み始めた頃はお兄さんお姉さんだったのに、いつのまにか彼らの年齢をひと回り越しています。

石崎洋司先生の『黒魔女さんが通る!』も大好きでした。全巻買って集めたほど。ギュービッドとチョコの師弟愛、いいですよね。個性豊かなクラスメートたちの掛け合いも面白かった。『黒魔女さん』とコラボしていた令丈ヒロ子先生の『若おかみは小学生!』もよく読みました。旅館の仕事の裏側を知るのが面白くて、いつも元気いっぱいのおっこが好きでした。

そして、はやみねかおる先生の『夢水清志郎』シリーズ。本格ミステリ風でドキドキしながら読みました。三つ子の名前の由来を知ったのは中学生になってから。一人称の変化形を暗唱する度に思い出しました。

池田美代子先生の『妖界ナビ・ルナ』シリーズにもハマりました。第三の目や九字を切る場面に、かっこいい!と憧れました。スネリともっけとの関係性も好きでした。頼れるお兄さんお姉さんであり、信頼できる仲間であり、ルナが羨ましかったのを覚えています。

名木田恵子先生の『天使のはしご』『星のかけら』は、少し背伸びして読みました。事件の遺族が主人公だったり、家庭崩壊を描いていたり、重いテーマでしたね。

高学年になって、小林深雪先生の『泣いちゃいそうだよ』に手を出しました。中学生は大人のお姉さんに見えて、悩みながらも部活と恋愛を謳歌していて、私にもこんな中学校生活が待ってるのかしら…と憧れました(そんなことはなかった)。

小6の夏休み、わたりむつこ先生の『はなはなみんみ物語』を読み、衝撃を受けたのを覚えています。緻密な小人の世界に、わくわくするような大冒険。3巻揃え、ぼろぼろになるまで繰り返し読みました。私もこんな物語が書きたいと、自分で作ったお話を大学ノートに書いたりもしました(今考えれば完全な模倣)。

『わたしたちの帽子』に出会い、高楼方子先生も読むようになりました。特に『十一月の扉』が好きで、大人と対等に親交できる爽子ちゃんに憧れました。『時計坂の家』、『ココの詩』は当時の私には少し難しかったかもしれません。今読むとまた違った印象になるんだろうな。


中学校時代


徐々に青い鳥文庫から卒業し、YA文庫や一般書も読むようになりました。
まず、あさのあつこ先生の『NO.6』シリーズ。小学生の頃にもちらっと読んだのですが、紫苑とネズミの関係に戸惑い、挫折してしまったんですよね。アニメ化がきっかけで再挑戦したところ、すっかりハマりました。同性同士でいいじゃない。友達でも恋人でもないけれど、それ以上に互いを強く想う2人の関係が好きでした。

そして、荻原規子先生。『空色勾玉』を読んだ時は、歴史とファンタジーの融合に衝撃を受けました。『白鳥異伝』『薄紅天女』『風神秘抄』と全作揃え、何周も読み返しました。大好きだったなあ。推しカップルは薄紅天女の阿高と苑上です。
荻原先生繋がりで『西の善き魔女』シリーズも制覇しました。純和風の勾玉シリーズとは違い、昔のヨーロッパを彷彿とさせる物語で、夢が膨らみました。学園ものの『RDG』にもハマりました。

最も大きな影響を受けたのは、上橋菜穂子先生!『獣の奏者』は夢中になって読みました。少女エリンが母と別れ、蜂飼いジョウンの元で育ち、カザルム学舎に入学し、教導師になり、イアルと家庭をもち、ジェシを育て…。生き物の神秘と、聡明なエリンの生涯を追えて幸せでした。
『精霊の守人』シリーズも読みました。国や民族の文化と対立をテーマに、こんな壮大なファンタジーを描けるなんて…と呆然とした覚えがあります。


高校時代


高校時代に米澤穂信先生に出会いました。『氷菓』シリーズから『小市民』シリーズ、『儚い羊たちの祝宴』まで、ミステリにどっぷり浸かりました。

それから小川糸先生。『つるかめ助産院』『ファミリーツリー』を図書室で借りて読みました。作風が自分と合わないかな、と気付き、追うのはやめてしまいましたが…。

そして、有川浩先生。『図書館戦争』シリーズ、自衛隊三部作、『3匹のおっさん』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』等、ラブコメにドキドキニヤニヤしながら読みました。

大学時代

大学受験勉強が本格化してから読書量は一気に減り、かつての熱量を維持しつつ読むのが難しくなってきました。読書=現実逃避、と思っている節もありました。現実に満足できないから本を読むのだ、と。

そんな中、小川洋子先生に出会いました。『博士の愛した数式』を読んで静謐な文章に惹かれ、他の作品も手に取るようになりました。『妊娠カレンダー』『猫を抱いて象と泳ぐ』『密やかな結晶』『まぶた』…。生理的な描写や難解な表現で挫折したものもありましたが、今なら違う視点で読めるかもしれません。特に好きだったのは『猫を抱いて象と泳ぐ』。時間をかけて噛み締めるように読みました。
そして、三浦しをん先生。『舟を編む』に始まり、『まほろ駅前多田便利軒』シリーズを楽しみました。

大学時代に読んだのはこれくらい。サークルに授業にバイトにと、忙しくも充実していたせいかもしれません。


最近になって


社会人になり、一人暮らしを始め、心に余裕がなくストレスでいっぱいの毎日でした。そんな中、読書がストレスコントロールに効くとのネット記事をふと目にします。何気なく立ち寄った書店で、三浦しをん先生の『ののはな通信』を購入し、気乗りしないまま本を開いたのですが、…いつのまにか夢中になって一晩で読んでしまいました。

その日から、以前追いかけていたシリーズや、気になっていた作家さんを手当たり次第に読んでいます。

最近よく思うのは、読書は世界を広げてくれる、ということです。新しいことを知り、世界の解像度が少しずつ上がっていくような感覚です。たとえ想像の世界であっても、職場と家を往復する毎日を彩ってくれます。

これからもたくさん、読みたいと思います。


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