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【読書】ルイス・フロイスの 秀吉と文禄の役 を読む

秀吉と文禄の役  
ルイスフロイス 日本史より
1590〜1593年
中公新書 1974年1月25日発行

貴重な記録だと思う
ノンフィクションなのに歴史小説を読んでいる気分になる
イエズス会の宣教師であり通訳でもあるルイス・フロイスが日本を記録した「日本史」の第三巻からの抄訳だ
秀吉が書かせた書簡だとか、秀吉に届いた書簡だとかも、丸ごと書き残しているのが凄いことだと思う
戦況の情報についても詳細に記録されている
秀吉が北条氏を攻撃する際の記述も、小田原城内の兵糧をはじめ情報を持っている
キリシタン大名ばかりでなく一般の武士や商人などのキリシタンからも情報が集まっていたのかと感じる
キリシタン大名が治めていない藩は異教徒の地として扱われている
巡察師ヴァリニャーノがインド副王からの書状を携え、天正の少年使節団4人と共に、聚楽第の秀吉の元を訪れた記録でも贈り物を運ぶインド人や随行するポルトガル人達の事も淡々と触れている

聚楽第の豪華さの記録と併せて、日本の建築物をヨーロッパの建築物と比較している
🔹とにかく清潔    高位の者でも履物を脱いで入る
🔹 とにかく精巧   継ぎ目などよく見ないとわからないくらい
▲  堅牢なのはヨーロッパ  日本の城なら大砲4発で壊せる
▲  街並みが整っていない  一般家屋でもヨーロッパでは街並み景観ができている

キリシタン大名の名前もクリスチャンネームで記録されているので武将の判別も翻訳者の追記があるから分かる程度だ
文禄の役で日本軍が朝鮮に攻め込むと、クリスチャンである小西行長の活躍と敗北もかなり贔屓目の記述が増える
小西アゴスティーニュ、アゴスティーニュが勝利を博し、アゴスティーニュが見事に判断を下し、アゴスティーニュのライバルである加藤虎之助: 清正はアゴスティーニュに活躍させてもらえるように懇願し、、、とくどいように書き連ねられている
韓国での中国側との交戦や交渉のやり取り、中国軍の陣容、戦果も詳細に把握している
本人は城の高いところに住んでいるので登り降りに難儀しているとも
イエズス会の布教集団は情報収集がすごいものだと思い知らされるものだった

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