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【読書】真保裕一の おまえの罪を自白しろ を読む

思いがけず おもしろい本に出会えた
政界を舞台にした捕物劇だ
政治家の嘘には誰もが嫌気をさしているし、世襲性の政治家ばかりなのも腹立たしい
政治家は本当に自分の家族のことくらいしか考えてない
主人公も与党政治家の次男だが、政界を嫌って起業したものの借金で結局父親の秘書になって、父を乗り越えて政治家になる
なんだという結末ではあるものの、現実の政治家を見てると記者会見や野党の追求への答弁に辟易しているので、その政治家に おまえの罪を自白しろ  という誘拐犯からの要求に応じる姿だけは、胸のすく想いを抱けたのは良かった

この小説みたいに政治家と特定業者との癒着疑惑の罪を自白させられたら気持ちいいだろうなあ
統一教会騒ぎもあるし、森友・加計、桜を見る会問題も、罪を自白させたいし、他にもたくさんあるはずだ

IPアドレスの匿名化ソフトを使うとか孫誘拐の脅迫にはギミックもあるが、まさに今起きてもおかしくないようなリアル感を出すためだけで、政治の世界は昔も今もこれからも、目と口と足の使い方に変わりはないという諦念も見てとれる

犯人も過去に殺人を犯して被害者を公共施設の敷地内に埋めていたことから、この政治家の采配によって建設工事による遺体の掘り返しの危惧を感じて起こした誘拐騒ぎだったというもので、政治家に罪を自白させることは撹乱でしかなかったわけで、この政治家の次男の機転により、自分達の罪を自白させられることになるわけだ
ストーリーの核はこれだけ
でも、政界の胡散臭さを書いてくれたのはおもしろかったので他の著作も読んでみようかなとは思っている

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