見出し画像

わいたこら 新庄剛志

「人から信用されるようになれば、何をやってもうまくいくようになる」

新庄剛志…1990年に阪神タイガースに入団
2001年に米大リーグ、ニューヨークメッツに入団
2004年に北海道日本ハムファイターズに入団
2006年に引退
プロ野球ファンならご存知の方も多いと思います。
懐かしの名場面集では対ジャイアンツ戦で敬遠の球を打って
サヨナラ勝ちをした場面が流れることが多い、
あの選手です。
今年は日本ハムファイターズのBIG BOSSとして
プロ野球界に戻ってきました。

画像2

       THE DIGESTより引用

この本は新庄剛志氏のエッセイ。
私は退団後の事は何も知らなかったのですが、
20億円の金を信用している人に使いこまれるという経験をしており、
この本はその話から始まっています。
「倒れてもまた走り出せばいい」

プロ野球選手になる前から応援してくれていた
A氏にお金の管理を全部任せていた新庄氏。
阪神タイガースで活躍するようになってからも
お金の管理はまかせっきり。
通帳には億単位のお金が入っていたにもかかわらず、
ATMでお金をおろす方法もわからず、後輩におろさせていました。

使いこみがわかったのは引退してから…。
バリ島を本拠地にするためにA氏からお金を
受け取ろうとして残額を聞くと「2200万円」
その後、A氏は自己破産をしたためお金は8000万円しか戻ってこず。

画像3

新庄氏はすぐに人を信用するタイプなのかと思えばそうではない。
新しいスタッフを雇う時には100万円を銀行に振り込みをお願いする。
封筒の中にはわざと1万円を多く入れて渡す。
戻ってきたスタッフが多かった1万円の事を、
正直に言うかどうかを試す為に。
しかし、一度信用してしまうととことん信じてしまう。

バリ島では新庄氏の事を知っている人は居ないので、
自由に楽しく過ごしていたとか。
「これからは毎日楽しく生きるだけ。とにかく楽しく生きることだけを考える」
と決めて自分の人生を自分のために使うことを決意する。
できないことはやらない。できることに集中する。
できないことは笑いに変えてしまえばいい。

画像4


 この本で新庄氏は文字が読めないことをオープンにしている。
教科書だけでなく漫画もみんなと同じ様には読めなかった。
読める部分をつなぎ合わせて自分なりに解釈をしていたので、
友達とも話が合わなかった。
ここで文字が読みやすいように工夫するのではなく彼は決意する。
「漢字とかカタカナとかもういらない」
「勉強しなくても、野球だけやっていればいいや」
それだけではなく、自分にあるものに目をむけた…とある。

プロになってからも練習には人一倍時間をかけている。
それも人目につかないところで。
練習なんか全然してないふりをして、試合になったらホームランを打つ。
みんなから「天才だ」と言われる。
新庄氏の理想のスターの姿であり、そうなるために努力はしていた。

大事にする3つのこと
1.いつも明るく生きる
2.いつも未来のことを考える
3.自分の人生は、自分で舵を取る

画像5


            JIJI.COMより引用

【感想】
 波乱万丈とはこのことだ…と読み終えての感想です。
でも憎めない。
現役当時から知っていましたが、かっこよかった。
ファンからそう思われるための努力をしていたことが綴られています。
本の題名の「わいたこら」は
福岡の方言で「なんじゃこりゃ」という意味。

現役時代に使っていたグローブはプロ野球選手になって、
もらった給料で買った7500円のモノで、引退するまで使い続けていた…というエピソードもそのまま載っていて、本当だったんだとびっくりしました。

そこに居るだけで場の雰囲気を明るく変えてしまう。
それは決して天性のものではなく、家族や本人の努力によるものなんだと感じました。
ハンディがあってもそこに捉われず、自分のできることを突き詰めていく。
読んで元気をもらいました。
プロ野球ファンでなくても、自己啓発書として読める本です。

画像1


【目次】
プロローグ 僕は見事に、しくじった
第1章 人生のどん底で、僕はこんなことを考えた
第2章 「スター・新庄」ができるまで
第3章 僕が持っていた運と、不思議な力
第4章 家族のこと
第5章 そして、今の僕のこと
エピローグ これからの、僕のサクセスストーリー

学研プラス
265ページ
2018年10月2日第1刷発行
本体価格 1300円
電子書籍あり

著者 新庄剛志
1972年生まれ、福岡県出身。
元プロ野球選手。
1990年阪神タイガースに入団しチーム低迷期を支えた後、2001年メジャーリーグに挑戦。ニューヨークメッツ、サンフランシスコジャイアンツで活躍。
日本人初のメジャー4番、日本人初の満塁本塁打、日本人初のワールドシリーズ出場など、数々の記憶に残るプレーで米国のファンをも魅了した。
2004年に日本球界に復帰、北海道日本ハムファイターズに入団し優勝にも貢献。
プロ野球引退後は数々の話題を振りまきつつ、バラエティー番組やCM等にも多数出演している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?