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44冊目.天才を殺す凡人

26冊目で、転職の思考法を読みました。
44冊目は、同じ北野さんの著書です。
この本もストーリー仕立てになっています。

天才 創造する人
秀才 再現する人
凡人 共感する人

と簡単に紹介していますが、
それぞれの領域で共通項をもっている人がいて、
それぞれの異なる才能を繋ぎます。

3つの才能は必ずしも別々の人ではなく、
同じ人間の中に、違う割合で共存しています。
割合的にどれが多いか、どれを生かすことが多いか、
ということでその人のキャラクターが決められているようにも見えます。

誰にでも才能はあって、
それを気づくも気づかないも、
生かすも殺すも本人だということです。
他人が気づいて潰さないように守ることもできます。
ここでいう「才能」とは
生まれつきの遺伝とかなんとかの話ではありません。

また、ビジネスの場面では各フェーズで、
必要とされる才能が違うということも言われています。
立ち上げには天才が必要、
組織化には再現性の秀才が必要、
マーケット拡大には凡人が必要…など。

各登場人物が、自分の才能に気づき、相手の才能に気づき、
もっている才能を活かすことを考えていく、
悲しい別れではなく、最後には適材適所にて再出発をしていきます。

目から鱗だったのは各才能の評価軸の違い。
納得しすぎて、うなりました。
一気に読んでしまうくらい興味深いストーリーです。

凡人が共感性を武器にして天才を殺すことが・・・
たしかに、あり得るんですね。
組織の評価がKPIであれば、アウトプットを数値で図ることができない
天才は排除されることになりかねません。というより、
天才を評価する基準がありません。あえて言うのであれば、
ここでは敢えて反発の量とされています。

仕事上での天才=イノベーションをおこす人だと仮定すると、
トップが事業拡大のフェーズで、創業者の天才から経営者の秀才に
変わって大きくなっていく会社はイノベーションが起きにくい
というジレンマを抱えているなどと言われる所以がそこ
(上記、天才の評価軸は反発の量)なのであろうなと推測されます。

ゆえに多くの人に理解され難い天才は、孤独です。反発されながら、
未踏の地を開拓していくのが天才なのですが、
天才でも誰かに理解されたり、
天才を見守る人がいないと稀有な創造の才能は殺されてしまいます。
才能がなかったことにされる、
本来の能力が見出されないという意味合いで。
それでは悲しいし、閉塞感があります。
私は組織の秩序は守りながらも天才をつぶさない、少々の変わり者
を温かく受け入れる社会人でありたいものだと思いました。

26冊目の転職の思考法で得た知見は、かなり戦略的でした。
信じるか信じないか、転職のウソとホント。
信じて動いてみた結果、私は転職に成功したと思います。
転職する前は怖かったし、後悔もしましたが、背水の陣を引いて
転職後は信じがたい変化です。
思い切って、大切にしたきた固定概念を捨ててみると、
実は身軽になり、視野が広がります。
何を大事にして、何を捨てるか(諦めるか)も大事です。
新しく移った組織でも色々な問題を抱えています。が、
組織なので色んな人がいるし、良いこと尽くしではないので、
自分がコントロールできないところは諦めつつ・・・。
転職により業界とポジションを一気に変えたことにより、
権限も裁量も大きく変わったので、成功よりかなと思っています。
自分自身の評価軸を変えることができ、
自身の人生の舵を取り戻したと思えます。
当たり前のことかもしれませんが、お金を得る方法や、
ライフとのバランスについて思い切って変えてみると、
幸福度も上がったように思います。
振り返ってみると、古い組織ではかなりワーカホリックで
偏った生活を自分に強いていたと思い至りました。
私が失いたくないと、しがみついていたものは、
案外、幻想で、なくてもよかったものだったことに気づかされました。
まるで憑りつかれていた悪霊からのがれたような軽さで
これからの20年を考えています。

45冊目「プロティアン」につづく。

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