カデナ(池澤夏樹著)を読んでみたんだ
今回紹介するのは、池澤夏樹さん著「カデナ」。
1968年、ベトナム戦争が激化した年のアメリカ占領下の沖縄で、スパイ活動をすることになったフリーダと、朝栄、タカの三人。
主にフリーダの語りと朝栄の語りを主軸に物語は進む。
アメリカ人の父とフィリピン人の母を持つフリーダは、アメリカ空軍の曹長。凛とした中にもどこか二十代女性らしさを残した語り口で、アメリカの豊かさに包まれた基地の中の恩恵や母の血からかふらりと寄るコザのフィリピン人の営む食品店等が描かれます。自分たち母娘を裏切った