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グランドレベルがまちを変える。

今日は、「1階づくりは、まちづくり」を実践する株式会社グランドレベルの田中元子さんの話です。
グランドレベルとは、地面や、1階、軒先など、まちを歩いていて自然に視界に入ってくる風景のことを指していたり、海外では純粋に1階の意味で使われていたりします。

魅力的なまち、活気にあふれているまちは、1階が重要だといいます。
人がまちを歩くにしろ、自転車や車で通り過ぎるにしろ、目にするのは通常、1階です。
「なんか面白そうな店だな。」とか「美味しそうなレストランだな。」とかいう感じで、あたかもまちをウィンドウショッピングするように視界に入ったものを楽しむことができます。

地区によっては、マンションが建ち並ぶところもあります。そこに住む人口としては増加していますが、マンションの間を歩いてみても、人の多さを感じることはありません。
そこに住む人口の数と、魅力や活気とは比例関係にないんですね。
人との関わりは人口の数よりも、まちで目にした人の数がどれだけ多いかで決まり、グランドレベルに人がいないと、まちは「死んで」しまったようにも感じます。

建物の1階が、まちに開かれたものになれば、そこからまちは変わっていくという思いから、株式会社グランドレベルが経営する「喫茶ランドリー」は、1階に構えて全面をガラスにした開放感のあるデザインになっていて、それは絶対に譲れない条件だったといいます。
全面をガラスにすると、外を歩いている人にも店内の雰囲気が伝わり、それがコミュニティの内と外の境界を低くします。

また、1階は、プライベートな空間とパブリックな空間の接点であるともいえます。
ガラスを隔てて内側はプライベート、外側はパブリック空間ですが、ガラス張りであることによって、まず視界的な交流が生まれます。
内側の空間が楽しそうに映れば、「ちょっと入ってみようかな。」となるのではないでしょうか。
これが仮にコンクリートに覆われた壁であったなら、内側がどうなっていようと、そうはなりません。

1階をまちに開く。
1階が面白くならないと、まちは面白くならない。
1階づくりは、まちづくり。
そういう視点もたしかになるほど、ですね。

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