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自分がされて嬉しいことは、他人も嬉しいとは限らない。

今回もキングコング西野さんのブログからです。
「相手の気持ちになる」とか、「相手の立場で考える」とか、「他者目線を持とう」って、よく聞きますよね。
お客さん相手のビジネスではもちろんそうですし、職場仲間、上司が部下を考えるときでもそうです。
うん、そりゃそうだよね、大事だよね。と思いますよね。
よく言われるのが、「自分がされて嫌なことは、他人にもしないこと。」
これはほとんどの場合、正しいと思うんです。
でも、注意すべきは、「自分がやられたら嬉しいことは、相手も嬉しい」は全ての人に当てはまらない、ということ。
自分が置かれている状況と、相手が置かれている状況は当然違うんですね。
でもついつい良かれと思ってこう考えてしまいます。
典型例としては「被災地に千羽鶴を送る」というケースです。
まずは衣食住を確保しないといけない段階で、全国から4トントラックで千羽鶴が送られてくるとします。
もちろん、気遣ってくれて嬉しいという気持ちはあるでしょうが、消耗品ではない千羽鶴が全国から大量に送られてくると、その保管場所に困ります。
そして、処分するとなれば、その労力や処分費用は被災者が負担することになります。

自分が「されて嬉しい」という状況は、相手の状況によっては「迷惑」にすらなり得ます。
よくプレゼント選びの特集サイトで「30代男性が贈られて嬉しいプレゼント」とかいうのを見かけたりしますが、30代男性というドンブリ勘定で相手を喜ばせることはできません。
部下指導でもそうですね。
自分がそうされたら嬉しいとか、自分の頃はこうされてきたとか、そういった「自分目線」で指導しようとすると、育ってきた環境も違う部下にとってはありがたいどころか、苦痛、場合によってはパワハラだと言われてるかもしれません。
この「他者目線」は、自分目線ではないことは大前提で、相手「一人ひとり」に応じて「想像」しなければいけません。
そして、厄介なことに、「自分がされて嬉しいことは相手も嬉しい」と勘違いしている場合、相手の迷惑を考えないどころか、正義だと思い込んでしまうので、取り下げることができません。場合によっては、「逆ギレ」さえしてしまいます。
千羽鶴が迷惑だと言われたら、きっと送った人は「なんだ、せっかく応援の気持ちを込めて作ったのに!」となるでしょう。

自分は嬉しいけど、その相手は果たしてそれが嬉しいか?逆に迷惑ではないか?そんなことを「想像」することって大切ですね。

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