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小説書きとAIイラスト

私は小説書きですので、お絵描きAIにWeb小説の表紙や挿絵を描いてもらえたらな、という期待があります。もしクオリティが良いのであれば、電子書籍の表紙として商用利用するために有償プランにすることも考えています。
そこで、お絵描きAIでどこまでできるのか、いろいろ試してみようと思います。

まずはAIピカソにチャレンジです。

呪文を打ち込み、好みのスタイルをいくつかの選択肢の中から選び、「生成」ボタンを押します。
(ここで、参考資料として自分の画像をアップすることもできるようです)

うー-----む。

拙作『雨の中のアリス』の表紙画像を作ろうとして試行錯誤した結果がこれです。

AIが微妙に言うことをきいてくれません。
cyberpunk(サイバーパンク)って設定はどこ行ったよ!? この画面のぐにゃぐにゃで表現してるのか?

ここには挙げていませんが、半分以上の画像が、city without lightと指定しているのにやたら大きな照明器具を入れてきました。どうやらlightという単語のみに反応しているようです。
しかし、それでは使い物にならないのです。照明器具というものが存在しない世界設定の小説ですので。

girl in blueと指定しているのに、リテイクの回数を重ねるごとに、少女の服が赤だの黄色だのに変わっていきます。

AIって、わりと平気で指示を無視してくるんですね。

この感じは、翻訳でDeepLを使っているときの感じと似ています。精巧なようでいて、あちこちにびっくりするような大穴が開いている感じ。
DeepLも、文節単位での訳漏れはしょっちゅうです。
呪文で細かく指示を入れても、AIピカソはすべて守ってくれるわけではありません。平然と無視します。表現を変えて何度入れても無視します。

また、お絵描きAIの人体描出のヤバさについては噂を聞いていましたが、本当にそうでした。
呪文で背景を指定せず、人物のみを描いてもらうと、ときどきハガレンのエドが人体錬成に失敗しちゃったみたいな画像が生成されます。うわあ。

ちょっと触ってみた感じ、実用性を追求するより、奇想天外な面白画像を次々作って楽しむツールのような気がしました。
何を作っても「面白」へ振っていきますので。

DeepLが、長い文を翻訳させると粗が目立つのに、短文だと完璧な翻訳ができるのと同じように。
AIピカソも短い呪文の方が得意なのかもしれません。今度やってみよう。

また、AIピカソのAIの特性を理解してツボにはまった呪文を入れると、思い通りの絵が生成できるのかもしれません。

これからもいろいろ調べつつ検証を重ねたいと思います。
っていうか、誰か早くお絵描きAIの呪文マニュアルとか出してくれないかな。


あと、一つ気になったことがあります。

boyと指定すると、本当に「子供」、十代かそれ以下の男の子しか生成されません。しかしgirlと指定すると、10代後半より上の女性が生成されます。little girlと指定しているのに20歳前後の女性が描かれたりします。
私が欲しいのは5歳前後の女児の絵でしたので、困り果てました。

(ちなみに上に挙げた画像は alice in wonderland と指定して描かせたものです。little girlでは希望する年齢の女児が生成されませんので)

ここには大きなジェンダー上の問題が含まれている気がします。
というのは、これはおそらく、若い女性を一人前の大人扱いせず girl 呼ばわりする世間の慣行を反映しているからです。機械学習は差別も学習します。


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