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はるさき小学校3ねんヒポポタマスがっきゅう 1

しょうばいをしてみたい


「おとうさん?」

「おとうさんがもってるかいすいよくようの小さいテントかしてくれない?」

3ねんせいになるとうこうびのまえの日にぼくはおとうさんにはなしかけた。

「なにに使うの?」

「えっとね、こんちゅうやようちゅうやおたまじゃくしやカエルやかわらやうみのいしきりでいけそうないしとかつかわなくなったおもちゃをやすみじかんにみんなにうるのの基地につかいたいの。」

「やすみじかんにろうかでうりたいの。つかわないときはうるものいれたままテントのファスナーしめとけばいいとおもって。先生がゆるしてくれるかわからないけど。」

とこたえた。

「そっかー。」

「あ、じゃああさいちでしょくいんしつであたらしいクラスのたんにんの先生に『しょうばいのじっけんをしたいからうるのとろうかをつかうのゆるしてください。』ってじゅもんをいってきいてみたらいいとおもうよ。いい?『しょうばいのじっけん』だよ。メモった?」

そう、おとうさんはおしえてくれた。

しょうばいのじっけん?よくわからないけどテントはかしてくれそうなかんじ?

「あ、でもテントはもちはこびがめんどうだとおもうけどなぁ。フタつきのプラスチックのハコがあるけどあれじゃあダメか?」

「ああ、いい!いい!それでいい!ハコでうる!」

「じゃあ、先生たちはあさしょくいんかいぎっていうはなしあいをやってるかもしれないから、ものすごくはやくしょくいんしつにいってきかないといけないかもね。トシオ、がんばれよ。おきれるか?」

「うん!」



「先生!『しょうばいのじっけん』をしたいんです。」

しゅうだんとうこうのハンチョウさんにしょくいんしつにいかないといけないとりゆうをいってひとりではやめにとうこうしてかばんをきょうしつにおいたらハコをもっていそいでしょくいんしつにいった。

「こんちゅうやカエルやいしきりいけそうないしやつかわなくなったおもちゃをうってみたいんです。」

「ろうかにこのプラスチックのハコをおいてうるのとじぎょうちゅうとほうかごにハコをろうかにおいておくのゆるしてください!」

しょくいんしつであたらしいクラスたんにんの先生にかおをまっかにしながらおおきなこえでいっきにはなした。

てにもっているプラスチックのハコがおもい。

おとうさんのじゅもんはきちんといえたかな?あんまりじしんはないけどおおきなこえではいった。

はじめてあうたんにんの先生はメガネのちょっぴりぽっちゃりなおとこの先生だった。

なふだに『フクトミ』とかいてある。

「うーん、なんだかおもしろいことをいってくるね。えっと、トシオくんでいいかな?」

「そうだなぁ、こんちゅうやカエルやいしはいいとおもうけど、つかわなくなったおもちゃとかはだいじょうぶかなぁ?ほうかごろうかにおいておくのもどうかなぁ?ちょっとこうちょう先生にきいてくるね。」


「きみかぁ。おもしろいこといってくる子は。トシオくんっていうのか。」

こうちょう先生がやってきた。

からだがおっきくてちょっとこわいけどやさしそうなめ。

「こんちゅうやカエルとかのいきものやいしはうってもいいよ。」

「やったー!!」

「あ、でもね、つかわなくなったおもちゃはおとうさんやおかあさんがきみのためにかってくれたものだからきみがおおきくなってからおもいだすこともあるだろうからがっこうではうっちゃいけない。ほかにもりゆうはあるけど。」

「あと、こんちゅうやカエルはいきているからながいあいだがっこうにはおいておけない。いきものはせわをしてあげないといけないからね。だからげつようびともくようびにだけうることにしたらいい。きみはどにちとすいようびにいきものをとりにいけばいいんじゃないかな。うれのこったいきものはもってかえってだいじにそだててげんきだったらまたうりにもってくればいい。ほかのものはまいにちうっていいよ。」

「あ、そうだ。いきものをとるときは、がっこうできんししてるばしょやひとさまのたんぼやすいろややまにはいってとっちゃいけない。これはわかるね? でもたんぼやすいろややまをもっているおじさんやおばさんにいいよっていってもらったらこれはおじさんおばさんとのやくそくだからとってもいい。だからおじさんおばさんにめいわくをかけないようにやってはいけないことあぶないばしょとかをよくきくんだよ。そのおじさんおばさんのなまえとでんわばんごうをたんにんの先生にわたしてこうちょう先生におしえてくださいね。」

「あとそうだなぁ、かわらやうみのいしだけど。このあたりのかわはいしをとるひとをパトロールしてるからかわはきんしです。ほんとにいしきりにつかえそうなものキレイなものめずらしいものだけえらんですこしだけかんがんでとってうりなさい。うみにいしがあるのはそこにひつようだからいしがあるのね。わかる?だからあまりたくさんとっちゃいけない。わかった?」

「はい!」

「あとでこうちょう先生がきょかしょうをかいてあげるからほうかごこうちょうしつにとりにきなさい。うらにちゅういがきもかいてラミネートしておくからね。うるときはそれをおみせのハコのまえにおいてうりなさい。」

「うるもののリストといついくらでうれたかをかくうりあげノートをつくったほうがいいね。それをつきのおわりにたんにんの先生にだしてください。うるものはしゃしんがはってあるとわかりやすいからおとうさんおかあさんにしゃしんをはってもらいなさいね。」

「ほかにうりたいものがでてきたり、いきものやいしをとるときににこれやってだいじょうぶかな?とおもうことがでてきたらそのたびにこうちょう先生のところにきてきいてくださいね。じぶんのかんがえただけだとあぶないといけないからかならずまもるんだよ。まもらないでトシオくんがけがとかびょうきになったらいきものをうるのはすこしのあいだきんししてもらいます。わかった?」

「あ、はいっ。」

「ほうかごはハコはきょうしつのすみにおいておきなさい。きょうしつはほうかごカギをかけるからそのほうがいい。それでもとられたりしていやなおもいをするかもしれないし、なかなかうれないかもしれないよ。とられないためのくふうやうれるためのくふうもじぶんでかんがえなきゃいけないよ?それでもうりたい?」

「あ、は、はい!!」

「そう。じゃあ、しょうばいがんばって!」

「ところでおみせのなまえはきまってるの?」

「あ、き、きめてませんでした・・・」

「じゃあ、まずはなまえからだね。」


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