裁判を傍聴した話(前編)

今日は人生で初めて裁判所へ行ってきた。裁判の傍聴をするためだ。

大学で法学を学んでいた僕は、かつてより裁判所へ行きたい、裁判を傍聴したいと思っていた。
しかしなかなか実行には移しておらず、大学を卒業して数年経った今日、ついに足を運んだのだった。

裁判はテレビドラマで見るくらいで傍聴に関しては全く知識がなかった。そこでネットで下調べをし、得た情報通りに朝10時のちょっと前に東京地方裁判所へ赴いた。裁判を傍聴する際の手順は興味があったらネットで調べて欲しい。実はとても簡単だ。

僕は刑事事件の新件を2件傍聴した。新件というのは今日第一回目の裁判が開かれる事件という意味だ。

まず1件目。法廷に入って最初に思ったのが、傍聴席が思ったより少なくかつ開廷時間が迫っているのに意外と席が埋まっていないこと。多くの人の注目を集め傍聴が抽選になるような裁判というのは実はごく一部で、現実にはこういった裁判の方が大多数なんだろう。

裁判官が入ってきて裁判が始まった。事件や被告人の詳細についてはここでは書かないが、思ったのはよくありそうなパターンだということ。何がよくありそうかというと、被告人の生い立ちや犯罪に至った経緯だ。

被告人は生まれつき特異な人物でもなければ特異な環境で育ったわけでもない。どこにでもいるような人間が、ちょっとしたきっかけで道を踏み外してしまったのだ。このことが一番印象深かった。

きっとこのように道を踏み外してしまう人というのは結構多くて、こういった人を生まないようにすることが社会の利益に繋がるんだろうなと思った。実際にはこれがとても難しいことなのだが。

しばらく裁判の様子を見ていると裁判官、検察官、弁護士、それぞれのキャラクターが見えてきて面白いと感じた。条文はあれど裁くのは人間である。どんな人間が裁判を担当するかはとても大事な事柄である。

また、書記官の人が自分と同年代くらいの女の子だったのが印象的だった。外見は普通の女の子という感じだったが、裁判官に度々話しかけたり質問をしていて、仕事に積極的な印象だった。同年代の人が活躍しているのを見ると自分も頑張ろうと思う。

結果的に、今回の裁判は概ね事実の確認に終わった。次回の開廷日が告知されたが、僕がその日に行けるかはわからない。できれば経緯を見守りたいところだが、何しろ平日の昼間なのである。


まだ続くが、長くなるので前編と後編に分けた。
後編は2件目の裁判についてなので、時間があればぜひ読んで欲しい。

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